オンライン診療を初めて受けたいけれど、初診でも大丈夫なのかと迷っていませんか。かかりつけの病院がなくても受けられるのか、薬はきちんと処方してもらえるのかと不安な方もいるかもしれません。この記事では、初診からオンライン診療を受けられる条件や処方の注意点、受診の流れと準備をやさしくまとめました。この記事を読んだ方に初診オンライン診療の仕組みを知ってもらうことで、安心して受診への一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。
オンライン診療は初診から受けられる?

結論からお伝えすると、オンライン診療は初診から受けられます。2022年度の診療報酬改定で、初診からのオンライン診療が正式な制度として位置づけられました。まずは制度の背景から見ていきましょう。
初診からの利用が正式に認められた経緯
オンライン診療とは、スマートフォンやパソコンのビデオ通話などを使い、自宅から医師の診察を受けられる仕組みです。対応する医療機関は少しずつ増えています。
以前のオンライン診療は、原則として再診からの利用とされていました。新型コロナウイルスの流行をきっかけに、特例として初診からの利用が広がりました。
その後、2022年度の診療報酬改定で初診からのオンライン診療が恒久化されました。恒久化とは、期間限定の特例ではなく、継続的な制度として認められることを指します。実施にあたっては、オンライン診療の適切な実施に関する指針(厚生労働省)に沿って行うことが求められています。
ただし、どんな症状でも初診からオンラインで完結できるわけではありません。医師が対面での診察が必要と判断した場合は、来院を求められることもあります。
すべての医療機関が対応しているわけではない
初診からのオンライン診療に対応するかどうかは、医療機関ごとの判断に任されています。オンライン診療自体は行っていても、初診は対面のみという方針の医療機関もあります。
受診したい医療機関が決まっている場合は、ホームページや電話で初診のオンライン対応を確認しておきましょう。厚生労働省のホームページでは、オンライン診療に対応する医療機関のリストも公表されています。お近くの対応医療機関を探すときの参考になります。
アプリ型のオンライン診療サービスでは、対応する医療機関をまとめて検索できることもあります。診療科や初診対応の有無で絞り込めるため、はじめての方でも探しやすいでしょう。
▼ オンライン診療とは?流れ・費用・薬の受け取りをやさしく解説
「オンライン診療が初めての方は、ぜひ仕組みの全体像についてもご確認ください。」
初診でオンライン診療を受けるための条件

初診からのオンライン診療は、かかりつけの医師が行うことが原則とされています。かかりつけの医師がいない場合に使える方法もあわせて見ていきましょう。

かかりつけの医師による診療が原則
指針では、初診からのオンライン診療は、日頃から患者さんを診ているかかりつけの医師が行うことが原則とされています。過去の診療記録やお薬の情報があると、画面越しでも安全に診療しやすいためです。
かかりつけの医師とは、健康のことを何でも相談でき、必要なときに専門の医療機関へつないでくれる身近な医師のことです。普段から通っている医療機関がオンライン診療に対応していれば、新しい症状の相談も進めやすいでしょう。
一方で、かかりつけの医師であっても、症状によっては対面での診察を選ぶことがあります。原則はあくまで安全のための考え方であり、最終的には医師が総合的に判断します。
かかりつけの医師がいない場合は診療前相談
かかりつけの医師がいない方でも、診療前相談を通じて初診からオンライン診療を受けられる場合があります。診療前相談とは、診療の前に医師とビデオ通話などでやり取りし、オンラインでの診療が可能かどうかを判断してもらう仕組みです。
相談の結果、オンラインでの診療は難しいと判断されることもあります。その場合は、対面での受診や近くの医療機関を案内されることが一般的です。
診療前相談への対応や進め方は、医療機関によって異なります。予約の前に、初診での受け入れ方法を確認しておくと安心です。
初診では処方されない薬・制限のある薬

初診のオンライン診療では、安全性の観点から処方されない薬や制限のある薬があります。希望する薬が決まっている方も、まずは制限の内容を知っておきましょう。

麻薬・向精神薬は初診では処方されない
初診のオンライン診療では、麻薬や向精神薬は処方しないこととされています。向精神薬とは、睡眠薬や抗不安薬など、脳のはたらきに作用するお薬の総称です。
これらの薬は、対面での診察を通じて慎重に使う必要があると考えられているためです。睡眠薬などの処方を希望する場合は、対面での受診を案内されることが一般的です。
睡眠薬や抗不安薬は、飲み方や量の調整に医師の細やかな確認が欠かせません。初診から急いで手に入れようとせず、対面も含めて相談することが安心につながります。
日数や種類に制限がある薬もある
麻薬や向精神薬のほかにも、初診のオンライン診療では処方に制限が設けられている薬があります。特に安全管理に注意が必要な薬は、処方されないか、処方される日数が短くなることがあります。
| 薬の種類 | 初診オンライン診療での扱い |
| 麻薬・向精神薬 | 処方されない |
| 安全管理に特に注意が必要な薬 | 処方されないか、日数が制限されることがある |
| 一般的な内服薬・外用薬 | 医師の判断で処方されることが一般的 |
上の表はあくまで一般的な目安です。同じ薬でも、医療機関の方針や患者さんの状態によって扱いが変わることがあります。
制限の細かい内容は、制度の見直しによって変わることがあります。希望する薬を処方してもらえるかどうかは、受診の前に医療機関へ確認しておきましょう。処方後の薬の受け取り方は、薬局側の仕組みもあわせて知っておくとスムーズです。
「薬だけ欲しいとお考えの方は、ぜひ診察なしで処方箋をもらえるかどうかについてもご確認ください。」
初診オンライン診療の流れと準備するもの

初診のオンライン診療は、予約から薬の受け取りまで自宅で完結できることが一般的です。全体の流れと準備物を知っておくと、当日も落ち着いて受診できます。
受診までの一般的な流れ
初診オンライン診療の一般的な流れは、次のようになります。医療機関や利用するアプリによって、細かい手順は異なる場合があります。
- 医療機関のホームページやアプリで診察を予約する
- 問診票に症状や既往歴、飲んでいる薬を入力する
- 予約時間にビデオ通話で医師の診察を受ける
- クレジットカードなどで会計を済ませる
- 処方箋が薬局へ送られ、お薬を受け取る
処方箋の扱いは医療機関によって異なります。希望した薬局へ直接送られる場合と、自宅へ郵送される場合があります。オンライン服薬指導と配送を組み合わせれば、お薬の受け取りまで自宅で完結できます。
処方箋が手元に届いた場合は、オンライン薬局を活用する方法もあります。たとえばはなせる薬局オンラインでは、処方箋をスマホで撮って送るだけで薬の準備が進みます。薬局で長く待つ必要がなく、お薬の不安な点は自宅から薬剤師に相談できます。
処方箋を撮って送るだけ。お薬の気になることは、LINEで薬剤師に相談できます。
LINEで相談する予約から診察までの待ち時間は、対面の外来より短く感じられることもあります。仕事や育児のすき間時間に受診しやすい点も、オンライン診療の利点です。
▼ 【薬剤師監修】オンライン診療の処方箋はどうする?薬の受け取り方
「診察後の薬の受け取りが気になる方は、ぜひオンライン診療の処方箋の扱いについてもご確認ください。」
事前に準備しておきたいもの
初診では、本人確認と保険の確認が行われることが一般的です。次のものを手元に準備しておくと、手続きがスムーズに進みます。
- 保険証またはマイナンバーカード
- スマートフォンやパソコンなどの通信機器
- 安定して使える通信環境
- クレジットカードなどの支払い手段
- お薬手帳(あれば)
通信が途中で切れると、診察をやり直すことになりかねません。電波の安定した静かな場所で受診するようにしましょう。
マイナンバーカードを保険証として使う場合は、事前に利用登録が必要です。確認の方法は医療機関によって異なるため、予約時の案内に沿って準備しておきましょう。
はなせる薬局 薬剤師お薬手帳を手元に用意しておくと、飲んでいる薬や飲み合わせの確認がスムーズになりますよ。
▼ 【薬剤師監修】オンライン服薬指導とは?流れ・要件と受けられる場面
「自宅での薬の受け取りに関心がある方は、ぜひオンライン服薬指導の仕組みについてもご確認ください。」
対面診療への切り替えが必要になる場合


オンライン診療は便利な一方で、すべての診療が画面越しで完結するわけではありません。対面診療が必要になる場面をあらかじめ知っておきましょう。
医師の判断で対面診療になることがある
画面越しの診察では、触診や聴診、検査を行えません。医師が正確な診断のために対面が必要と判断した場合は、来院や近くの医療機関の受診を案内されます。
たとえば、おなかの痛みが続く場合は、血液検査などで原因を調べる必要があるかもしれません。皮膚の症状でも、画面の映りだけでは判断が難しいことがあります。
対面への切り替えは、患者さんの安全を守るための大切な仕組みです。オンラインにこだわらず、医師の案内に沿って受診するようにしましょう。
緊急性の高い症状はすみやかに受診を
強い胸の痛みや息苦しさ、意識がもうろうとするような症状は、オンライン診療には向いていません。予約や通話の準備に時間を使うより、早く医療機関にかかることが優先されます。
症状の程度に迷うときは、医療機関へ電話で相談する方法もあります。無理にオンラインで済ませようとせず、体調に合わせて受診方法を選びましょう。



症状が急に悪化したときや強い不調があるときは、オンラインの予約を待たず、早めに医療機関へご相談ください。
よくある質問
初診のオンライン診療について、多くの方が気になる質問をまとめました。受診の前に確認しておくと役立ちます。
オンライン診療の初診ができない場合はある?
症状や希望する薬によっては、対面が必要と判断されることがあります。診療前相談で事前に確認できる医療機関もあります。
初診のオンライン診療で薬は処方してもらえる?
症状に応じて処方されます。ただし麻薬や向精神薬など、初診では処方されない薬もあります。
オンライン診療の初診料はいくらくらい?
保険適用の場合、対面の初診料とは点数が異なります。システム利用料が別にかかる医療機関もあるため、事前確認が安心です。
保険証がなくてもオンライン診療を受けられる?
保険を使うには保険証やマイナンバーカードの情報が必要です。提出方法は医療機関に確認しましょう。
初診のオンライン診療はどんな症状に向いている?
かぜ症状や皮膚の相談など、検査を急がない症状で使われることが一般的です。医師の判断で対面になることもあります。
初診のオンライン診療は遠くの医療機関でも受けられる?
全国の対応医療機関から選べることが一般的です。対面が必要になったときに通える距離かどうかも考えて選ぶと安心です。
まとめ
オンライン診療は、2022年度の診療報酬改定により初診から受けられるようになりました。かかりつけの医師による診療が原則ですが、診療前相談を通じて受けられる場合もあります。
初診では麻薬や向精神薬など処方されない薬があり、症状によっては対面診療へ切り替わることもあります。保険証や通信環境などの準備を整えておけば、自宅から落ち着いて受診できます。診察後のお薬は、オンライン服薬指導と配送を使えば自宅で受け取れます。体調がすぐれないときこそ、無理のない方法で医療につながってくださいね。不安なときは、いつでも医師や薬剤師にご相談ください。


