オンライン診療に興味はあるものの、対面と比べて診察が不十分にならないか気になっていませんか。費用が高くならないか、薬はきちんと受け取れるのかと不安な方もいるかもしれません。この記事では、オンライン診療の主なデメリットと対処法、向いている人の特徴をやさしくまとめました。この記事を読んだ方にオンライン診療との上手な付き合い方を知ってもらうことで、安心して受診方法を選ぶための一歩となれば幸いです。
オンライン診療の主なデメリット5つ

オンライン診療には、診察方法や費用、薬の受け取りに関して、対面診療とは異なる注意点があります。先に知っておくと、受診してから戸惑うことが少なくなります。ひとつずつ見ていきましょう。

触診や検査ができない
オンライン診療は、スマートフォンやパソコンの映像と音声を通じて診察を受ける仕組みです。問診と視診が中心となるため、医師が直接体に触れる触診や聴診は行えません。
血液検査やレントゲンなどの検査も、その場では受けられません。症状によっては、画面越しの情報だけでは判断がむずかしい場合があります。
そのため、医師が対面での診察が必要と判断したときは、来院を案内されることがあります。オンラインだけで完結しない場合もあると知っておくと、落ち着いて対応できます。
通信環境や機器の操作に左右される
オンライン診療では、ビデオ通話ができる機器と安定した通信環境が必要になります。電波が弱い場所では、映像や音声が途切れてしまうことがあります。
診察の途中で通信が切れると、伝えたいことが十分に伝わらないおそれがあります。アプリの登録や操作に慣れていない方は、準備の段階で戸惑うかもしれません。
最近は、電話での操作案内など初めての方への配慮を行う医療機関も増えています。不安な場合は、予約の前に使い方の案内があるかを確認しておくと安心です。機器の操作が心配な方は、最初の受診だけ家族に手伝ってもらう方法もあります。
薬の受け取りに日数がかかる場合がある
対面診療では、診察のあとにそのまま薬局へ寄って薬を受け取れます。一方でオンライン診療では、処方箋(医師が薬を処方するために発行する書類)のやり取りが間に入ります。
処方箋の情報が薬局へ送られ、配送で薬を受け取る場合は、手元に届くまで数日かかることがあります。すぐに薬を使いたいときには、不便に感じるかもしれません。
近くの薬局で受け取る方法を選べば、当日中に受け取れることもあります。受け取り方は、診察の前に考えておくとスムーズです。
▼ 【薬剤師監修】薬(処方薬)の配達・宅配サービスとは?料金や当日配達も解説
「配送での受け取りを考えている方は、ぜひ薬の配達・宅配サービスについてもご確認ください。」
対面にはない費用がかかる場合がある
オンライン診療では、診察料のほかにシステム利用料や通信料がかかる場合があります。システム利用料とは、予約やビデオ通話の仕組みを使うための料金のことです。
金額は医療機関や利用するサービスによって異なります。薬を配送してもらう場合は、送料がかかることも少なくありません。
合計すると、対面診療より支払いが多くなることもあります。あとから驚かないように、事前に費用の内訳を確認しておくようにしましょう。公式サイトや予約ページに記載がないときは、問い合わせて確認できます。
なお、保険診療として行われるオンライン診療は、対面と同じように公的医療保険の対象になります。システム利用料などは保険の対象外となるため、区別して考えておくと整理しやすくなります。
初診では処方されない薬がある
オンライン診療では、薬の処方に一定のルールが設けられています。オンライン診療の適切な実施に関する指針(厚生労働省)では、初診での麻薬や向精神薬の処方は認められていません。
向精神薬とは、睡眠薬や抗不安薬など脳に作用する薬の総称です。また、安全管理が特に必要な薬についても、初診では処方日数などに制限があります。
希望する薬が処方の対象になるかは、医療機関へ事前に確認しておくと安心です。こうした制限は、患者さんの安全を守るために設けられています。
デメリットを小さくする3つの対処法

オンライン診療のデメリットの多くは、事前の確認と対面との使い分けで小さくできます。気になる点と対処のポイントを整理しました。
| 気になる点 | 対処のポイント |
| 検査や触診ができない | 症状が強いときは対面診療を選ぶ |
| 通信が不安定になりやすい | 電波の安定した場所と機器を準備する |
| 薬の到着まで日数がかかる | 受け取り方法を診察前に決めておく |
| 追加の費用がかかる場合がある | システム利用料や送料を事前に確認する |
対面診療と使い分ける
オンライン診療は、対面診療のすべてを置き換えるものではありません。症状や状況に応じて2つを使い分けることが、上手な活用のコツになります。
体調が安定しているときの定期的な受診はオンラインで済ませ、気になる変化があるときは対面で診てもらう形が考えられます。医師と相談しながら、無理のない組み合わせを見つけていきましょう。
医療機関によっては、オンラインと対面を組み合わせた通院の計画を提案してくれることもあります。迷ったときは、かかりつけの医師に相談してみてください。
はなせる薬局 薬剤師症状が落ち着いているときはオンライン、気になる変化があるときは対面、と決めておくと迷いにくくなりますよ。
費用と対応薬局を事前に確認する
受診の前に、診察料以外にかかる費用を確認しておきましょう。システム利用料や送料の有無がわかっていれば、支払いの見通しを立てやすくなります。
薬の受け取りを考えて、処方箋の送信に対応した薬局を探しておくことも大切です。オンライン服薬指導(ビデオ通話などで薬剤師から薬の説明を受ける仕組み)に対応しているかも確認しておくと、選択肢が広がります。
対応状況は薬局によって異なります。ふだん利用している薬局があれば、オンライン診療の処方箋を扱えるか聞いておくと安心です。
▼ 【薬剤師監修】オンライン服薬指導とは?流れ・要件と受けられる場面
「自宅での薬の説明が気になる方は、ぜひオンライン服薬指導の仕組みについてもご確認ください。」
薬の受け取り方法を決めておく
薬の受け取りには、薬局の店頭で受け取る方法と、配送で自宅に届けてもらう方法があります。急ぎのときは店頭、外出がむずかしいときは配送が向いています。
処方箋には原則4日間の有効期限があるため、受け取りまでの段取りを早めに決めておくことが大切です。診察のときに希望の受け取り方を伝えておくと、その後の流れがスムーズになります。
処方箋の送信やお薬の相談に対応したオンライン薬局を活用するのも、ひとつの方法です。たとえばはなせる薬局オンラインでは、処方箋をスマホで撮って送っておけるため、薬局で長く待たずに薬を受け取りやすくなります。お薬の気になることを自宅から薬剤師に相談できる点も、オンライン診療との相性が良いところです。
処方箋を撮って送るだけ。お薬の気になることは、LINEで薬剤師に相談できます。
LINEで相談する受け取りの流れは、医療機関や薬局によって少しずつ異なります。初めての方は、全体の流れを一度確認しておきましょう。
▼ 【薬剤師監修】オンライン診療の処方箋はどうする?薬の受け取り方
「薬の受け取りに不安がある方は、ぜひオンライン診療の処方箋の流れについてもご確認ください。」
オンライン診療のメリットも知っておこう


オンライン診療には、デメリットを上回る利点が感じられる場面も多くあります。公平に比べるために、主なメリットも整理しておきましょう。
移動や待ち時間の負担が減る
オンライン診療の大きな魅力は、自宅にいながら診察を受けられることです。通院にかかる移動時間や交通費、待合室での待ち時間を減らせます。
小さなお子さんがいる方や、体調が悪くて外出がつらい方にとって、負担の軽さは大きな助けになります。仕事の合間の時間を使って受診できる場合もあります。
待合室で他の患者さんと接する機会が減るため、感染症が流行する時期にも受診しやすい点が特徴です。予約した時間に診察が始まりやすく、予定を立てやすいことも助かるところです。
通院を続けやすくなる
高血圧や糖尿病などの慢性疾患では、定期的な受診と薬の継続が大切になります。忙しさから通院が途切れてしまう方は少なくありません。
オンライン診療を組み合わせると受診のハードルが下がり、治療を中断しにくくなります。いつもの薬をもらうための通院に、時間を取りにくい方にも向いています。
症状が安定している間はオンラインで受診を続け、必要に応じて対面で検査を受ける形なら、無理なく治療を続けられます。
オンライン診療が向いている人・対面が安心な人


オンラインと対面のどちらが合うかは、症状の状態や生活環境によって変わります。目安となる特徴を紹介します。


オンライン診療が向いている人
症状が安定していて、同じ薬を続けている方はオンライン診療に向いています。定期受診の負担を減らしながら、治療を継続しやすくなります。
- 症状が安定していて定期的に同じ薬をもらっている
- 仕事や育児で通院の時間を確保しにくい
- 医療機関が遠い、または外出がむずかしい
- 感染症の流行期に待合室での接触を避けたい
あてはまる方でも、最初は対面で診てもらい、医師と相談したうえでオンラインへ切り替えると安心です。治療の経過を知っている医師なら、画面越しでも変化に気づきやすくなります。
対面診療が安心な人
初めて経験する強い症状があるときは、対面診療が安心です。触診や検査を含めて、その場でしっかり診てもらえます。
胸の痛みや高熱など、急な体調の変化があるときも同じです。検査が必要になりそうな症状では、最初から対面を選ぶ方がスムーズに進みます。持病が複数あり、薬の調整が続いている方も、対面で丁寧に診てもらう方が安心につながります。
オンライン診療の途中でも、医師が必要と判断すれば対面での受診を案内されることがあります。そのときは、医師の案内に沿って落ち着いて対応しましょう。



激しい痛みや呼吸のしづらさなど、緊急性が疑われる症状があるときは、オンライン診療ではなく早めに医療機関を受診してください。
よくある質問
オンライン診療のデメリットについて、多くの方が気になる質問をまとめました。受診方法を選ぶ前の参考にしてください。
オンライン診療はやめたほうがいいと言われるのはなぜ?
触診や検査ができないなど、診察方法に限りがあるためです。症状に応じて対面と使い分ければ、便利に活用できます。
オンライン診療は対面より費用が高い?
システム利用料や送料がかかる分、支払いが多くなる場合があります。金額は医療機関ごとに異なるため事前確認が安心です。
オンライン診療で薬が届かないときはどうする?
まず医療機関か薬局へ連絡しましょう。処方箋には有効期限があるため、早めの確認が大切です。
オンライン診療で処方されない薬はある?
初診では麻薬や向精神薬は処方されません。安全管理が必要な薬にも制限があるため、医療機関へ確認しましょう。
オンライン診療に必要なものは?
ビデオ通話ができるスマートフォンなどの機器と、保険証やマイナンバーカードの用意が必要になることが一般的です。
どんな症状ならオンライン診療でよい?
症状が安定した慢性疾患の定期受診などが向いています。強い症状や急な変化があるときは、対面での受診が安心です。
まとめ
オンライン診療には、触診や検査ができない、通信環境に左右される、薬の受け取りに日数がかかる場合があるといったデメリットがあります。多くは事前の確認と対面との使い分けで小さくできます。
症状が安定した定期通院にはオンラインを、初めての強い症状には対面をと、状況に合わせて選んでいきましょう。自分に合った受診方法を選ぶことが、治療を無理なく続ける近道になります。迷ったときは、医師や薬剤師に気軽にご相談くださいね。


