「理由のわからない不安や緊張が続いてつらい…」
「人前に出ると胸がドキドキして落ち着かない…」
「眠れないときにロフラゼプ酸エチルを処方されたけれど、飲み続けて大丈夫?」
このような不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。ロフラゼプ酸エチルは不安や緊張、睡眠の悩みに用いられることがある一方で、副作用や依存性リスク、服用のタイミングなどを理解して使うことが大切です。
本記事では、日々精神科の患者さまの服薬指導を行なっているはなせる薬局薬剤師が、特徴や期待できる効果、基本の飲み方、副作用、注意点、よくある質問までをわかりやすく整理します。
この記事を読んだ方にお薬について知ってもらうことで、理解しながら最適な治療を選択するための一歩となれば幸いです。
ロフラゼプ酸エチルとは

出典:沢井製薬
ロフラゼプ酸エチルは、メイラックスなどの商品名で処方されるベンゾジアゼピン系の長時間作用型の抗不安薬※です。
脳のベンゾジアゼピン受容体に作用してGABAの働きを高めることで、神経の興奮をしずめ、不安や緊張を和らげます。神経症や心身症に伴う不安・緊張・抑うつ・睡眠障害の改善を目的に用いられ、精神科や心療内科では抗うつ薬などと併用されることもあります。
効き目がゆるやかで長く続きやすい一方、日中の眠気やふらつき、長く飲み続けることによる依存性などには注意が必要とされています。医師の指示のもとで必要最小限の用量と期間で服用することが大切です。
はなせる薬局 薬剤師先発薬は「メイラックス」となっており、ロフラゼプ酸エチルは後発のジェネリック医薬品になります。
※ベンゾジアゼピン系の長時間作用型の抗不安薬とは
ベンゾジアゼピン系の長時間作用型の抗不安薬は、脳内のGABAの働きを高めることで不安や緊張を和らげ、その効果が比較的長く持続する薬です。
ロフラゼプ酸エチルに期待できる効果
ロフラゼプ酸エチルに期待できる効果を3つに分けて詳しく解説します。
神経症における不安・緊張・抑うつの改善
ロフラゼプ酸エチルは、神経症にともなう不安や緊張、気分の落ち込みをやわらげるために用いられる抗不安薬です。脳内のベンゾジアゼピン受容体に作用してGABAの働きを強めることで、過剰に高ぶった神経活動を落ち着けます。
この作用によって、理由のはっきりしない不安やそわそわ感が少し軽くなり、人前に出る場面や仕事、対人関係で強く緊張しやすい方でも負担が減りやすくなるとされています。
とはいえ、病気の原因そのものを治す薬ではなく、不安によって生じるつらさを和らげる位置づけとなります。
睡眠障害の改善
ロフラゼプ酸エチルは、神経症や心身症にともなう不安や緊張で頭がさえて眠れないタイプの睡眠障害に用いられることがあります。
ベンゾジアゼピン系としてGABAの働きを強め、神経の興奮をしずめることで、心と体をリラックスしやすい状態に整えます。仕事や人間関係のことを考えてしまい眠れないなどの気持ちの高ぶりを落ち着かせる作用があります。
はなせる薬局 薬剤師ただし、いわゆる睡眠薬とは違い、不安や緊張を和らげることで眠りを助ける薬という位置づけとなります。
不安に伴う動悸・息苦しさ・胃の不快感などの身体症状の軽減
ロフラゼプ酸エチルは、神経症や心身症にともなって出やすい動悸や息苦しさ、胸のつかえなどの身体症状をやわらげる目的でも使われることがあります。
心が不安定な状態になると、自律神経のバランスが乱れ、からだの不調としてあらわれることがあります。この薬はGABAの働きを高めて神経の興奮を落ち着かせることで、不安そのものを軽くし、その結果として身体症状も軽くなることが期待されます。
必要に応じて胃薬や心臓の薬と組み合わせて使われることもあり、飲み方や用量は一人ひとりに合わせて調整されます。
ロフラゼプ酸エチルの基本的な飲み方
ここでは、ロフラゼプ酸エチルの基本的な飲み方として、服用頻度やタイミングについて詳しく解説します。
通常は医師の指示に従い1日1〜2回に分けて服用する
ロフラゼプ酸エチルは、通常は医師の指示に従い、1日量を1〜2回に分けて服用します。成人では、多くの場合2mgを分けて使われますが、年齢や症状、現在飲んでいるほかの薬によって適した量は変わります。
自己判断で回数を増やしたり、効きが弱いと感じて追加で飲んだりしないようにしましょう。眠気が強いときや、反対に効き目がよく分からないときは、医師や薬剤師に相談しながら用量や飲む時間帯を調整してもらうことが大切です。
症状に合わせて決められたタイミングで服用する
ロフラゼプ酸エチルは、症状の出やすい時間帯に合わせて飲むタイミングが決められることが多いです。
日中の不安や緊張がつらい場合は、朝や日中の決まった時間に服用するよう指示されることがあります。反対に、夜になると不安が強くなったり、考えごとで目がさえてしまう人では、就寝前の服用が選ばれる場合もあります。
毎日ほぼ同じ時刻に飲み続けて効果を安定させる方法が一般的ですが、医師の判断でつらいときだけ飲む使い方が指示されることも珍しくありません。
はなせる薬局 薬剤師いずれの場合も、自分の判断でタイミングを変えたり回数を増やしたりしないことが大切です。
ロフラゼプ酸エチルを飲み忘れたときの対処法
ロフラゼプ酸エチルを飲み忘れたことに気づいたときは、次の服用時間までまだ十分に時間がある場合に限って、気づいた時点で1回分を服用するようにしましょう。
次に飲む時間が近い場合は、忘れた分は無理に取り戻そうとせず、その回は飛ばして、通常のスケジュールに戻すことが基本です。2回分をまとめて飲んだり、自己判断で量を増やしたりすると、強い眠気などの副作用が出るおそれがあります。
飲み忘れが続いてしまう場合は、アラームをかけたりといった方法で対策をすると良いでしょう。
ロフラゼプ酸エチルの副作用【眠気・めまい・頭痛など】
ロフラゼプ酸エチルには、以下のような副作用があります。
| 生じる恐れがある副作用 | 症状の特徴 |
| 眠気 | 日中の強い眠気・ぼんやり感 |
| めまい・ふらつき | 立ち上がり時のふらつき・頭がふわっとする |
| 頭痛 | 頭痛や頭が重い感じ |
| 脱力感 | 力が入りにくい、足がふらつく |
| 消化器症状 | 吐き気・食欲低下・胃のむかつき |
| 言語障害・健忘 | ろれつが回りにくい、物忘れが増える |
| 刺激興奮、錯乱 | イライラや興奮など |
| 依存・離脱症状 | 長期使用後の急な中止で不安悪化、震え・けいれん |
眠気やめまいなど、気になる症状が現れたときには、無理をせずに医師に相談しましょう。
ロフラゼプ酸エチルに関する注意点
ロフラゼプ酸エチルに関して知っておくべき3つの注意点について分かりやすく整理して解説します。
眠気やふらつきが出るため、車の運転や危険な作業は控える
ロフラゼプ酸エチルは、脳の興奮状態を落ち着かせる薬のため、日中でも強い眠気やぼんやり感が出ることがあります。
服用中は、自動車やバイクの運転はもちろん、自転車、危険をともなう機械の操作や高所での作業は控えましょう。眠気が強くて日常生活に支障が出るときは、用量や飲む時間帯を変えられないか、早めに医師に相談してください。
アルコールや他の眠くなる薬との併用をできるだけ避ける
ロフラゼプ酸エチルを飲んでいるときは、アルコールや他の眠くなりやすい薬との併用に注意が必要です。
睡眠薬や他の抗不安薬、アレルギー薬に使われる一部の抗ヒスタミン薬などと一緒に飲むと、眠気やふらつき、判断力の低下が強く出やすくなります。
すでに服用している薬がある場合や、どうしても併用が必要な薬がある場合は、必ず医師や薬剤師に伝えて調整してもらいましょう。
はなせる薬局 薬剤師普段からお酒を飲む習慣がある人も、量やタイミングについて事前に相談しておくと安心できます。
長期間飲み続けると依存や耐性が生じるおそれがある
ロフラゼプ酸エチルは、ベンゾジアゼピン系に共通する性質として、長く飲み続けると同じ量では効きにくいと感じる耐性が生じるおそれがあります。
さらに、長期間服用を継続すると、依存性が形成されることがあります。依存には、薬がないと不安になる「精神依存」と、離脱症状が出る「身体依存」の2種類があります。
また、自己判断で急に減量や服用中止をすると離脱症状が出やすいです。
そのため、自己判断で漫然と飲み続けるのではなく、治療の目的や期間を主治医と共有し、必要性を定期的に見直すことが大切です。減量や中止を行うときは、少しずつ量を調整しながら慎重に進めましょう。
ロフラゼプ酸エチルを服用できない方
ロフラゼプ酸エチルは有用な抗不安薬ですが、体質や持病によっては服用できない場合があります。以下のようなケースでは注意が必要になります。
【服用できない方 】
・ベンゾジアゼピン系の薬で過敏症(アレルギー症状など)が出たことがある人
・急性閉塞隅角緑内障の人(眼圧が上がり症状が悪化するおそれがあるため)
・重症筋無力症の人(筋力低下が悪化する可能性があるため)
【服用を避けるべき人・慎重な検討が必要な人】
・心臓の病気があり、状態が安定していない人
・脳に器質的な障害がある人(作用が強く出やすい場合があるため)
・中等度以上の呼吸不全がある人
・重い肝機能障害や腎機能障害がある人
・体力が低下している人や高齢の人(副作用が出やすいことがあるため)
・妊娠中または妊娠の可能性がある女性(治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与されます)
・授乳中の人(母乳中へ移行することが報告されており、乳児に影響を及ぼす可能性があるため)
少しでも当てはまりそうな場合は、必ず事前に医師や薬剤師へ相談してください。安全に使うためには自己判断を避け、専門家と一緒に適切な服用方法を決めていくことが大切です。
ロフラゼプ酸エチルに関するよくある質問
ロフラゼプ酸エチルについて、患者様から寄せられることの多い質問に回答します。疑問や不安を解消するのにお役立てください。
ロフラゼプ酸エチルは長期間飲み続けても大丈夫ですか?
ロフラゼプ酸エチルはベンゾジアゼピン系の薬のため、長期間飲み続けると耐性や依存の問題が生じるおそれがあります。
同じ量では効きにくいと感じたり、減らしたときに不安や不眠、いらいらなどが強く出てしまう場合があります。
そのため、基本的には必要最小限の量をできるだけ短期間使うことが大切です。
はなせる薬局 薬剤師治療が長引きそうなときは、今の量を続けるか、少しずつ減らせるかなどを定期的に主治医と相談しましょう。
他の抗不安薬や睡眠薬と併用しても良いですか?
ロフラゼプ酸エチルと他の抗不安薬や睡眠薬を併用できるかどうかは、病状や全体の処方内容によって判断が分かれます。
併用が必要になるケースもありますが、同じように眠気を起こす薬同士を重ねると、眠気やふらつき、判断力の低下などの副作用が強まりやすくなります。また、ベンゾジアゼピン系同士を重ねて使うと、依存や過量投与のリスクも高くなるリスクがあります。
服用中の薬やサプリ、市販薬も含めてすべて主治医や薬剤師に伝えたうえで、併用の可否や用量調整を任せるようにしましょう。自分の判断で複数の薬を飲み足すことは避けてください。
眠気が強すぎるときはどう対処すればいいですか?
ロフラゼプ酸エチルによる眠気が強すぎると感じたときは、どの時間帯にどのくらい眠いのか、仕事や家事に支障が出ているかを簡単にメモしておきましょう。
診察の際にその情報をもとに、服用時間を就寝前寄りにずらしたり、用量を少し減らしたりといった調整が検討されます。
はなせる薬局 薬剤師他の眠くなりやすい薬やアルコールを併用していないかも一緒に確認し、気になる場合は早めに主治医や薬剤師に相談してください。
ロフラゼプ酸エチルに依存性はありますか?
ロフラゼプ酸エチルは、長く続けて使うことで依存が生じるおそれがある薬です。そのため、必要性を見ながら使い、漫然と長期に続けないことが大切とされています。
依存という言葉を見ると強い不安を感じるかもしれませんが、すべての人に同じように起こるわけではありません。
自己判断で量を増やしたり、急にやめたりすると不調につながりやすいため、続け方や減らし方に迷いがあるときは、早めに医師へ相談してくださいね。
ロフラゼプ酸エチルを急にやめると離脱症状は出ますか?
ロフラゼプ酸エチルを連用したあとに急に減らしたり中止したりすると、けいれん発作、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想などの離脱症状が出ることがあります。
そのため、やめるときは一気に止めるのではなく、体調を見ながら少しずつ減らしていくことが勧められます。飲み続けることが負担に感じる日があっても、そこで急に中断すると、かえってつらさが強まることがあります。
はなせる薬局 薬剤師困りごとがあるときは、今の状態を医師に伝えながら進めることが大切です。
ロフラゼプ酸エチルは服用開始後どれくらいで効果を感じますか?
ロフラゼプ酸エチルは、飲んでから比較的早い時間で体に入っていく薬ですが、効果の感じ方には個人差があります。
血中濃度は服用後およそ1時間前後で高くなりやすい一方、不安の軽さや眠りやすさとして実感するまでの速さは、その日の体調や症状の強さによっても変わります。
思ったより変化が分かりにくいと、不安になることもあるかもしれません。数回で合わないと決めつけず、効き方や眠気の出方を医師に伝えながら調整していくことが大切です。
ロフラゼプ酸エチルは何時間くらい効きますか?
ロフラゼプ酸エチルは、体の中で長く残りやすい薬です。活性代謝物の半減期はおよそ90〜110時間前後とされており、短時間だけ効いてすぐ切れるタイプではありません。
そのため、効き目の土台は比較的長く続きやすい一方で、眠気やふらつきが翌日まで残る方もいます。何時間効くかを一律に言い切ることはできませんが、作用が長めである点は知っておきたいところです。
はなせる薬局 薬剤師朝の眠気や頭がぼんやりする感じがあるときは、服用時間や量について相談してみると調整しやすくなります。
ロフラゼプ酸エチルは朝と寝る前のどちらに飲むことが多いですか?
ロフラゼプ酸エチルは、通常1日1〜2回に分けて飲む薬です。そのため、朝だけ、寝る前だけと決まっているわけではなく、症状に合わせて時間が決められます。
ただ、睡眠障害に使う場合や眠気が出やすい場合は、夜の服用が選ばれることがあります。反対に、日中の不安が強いときは朝に使う形になることもあります。
今の飲み方で眠気やふらつきがつらいときは、そのまま続けるより、生活リズムも含めて医師や薬剤師に相談しながら整えていくことが大切です。
メイラックスの安全なやめ方・減らし方
ロフラゼプ酸エチル(メイラックス)は作用時間が長いお薬のため、やめるときも体への変化がゆるやかにあらわれる傾向があります。それでも、自己判断で急に中止すると不調があらわれることがあります。
減らし方は、医師と相談しながら少しずつ量や回数を調整していく方法が一般的です。生活の変化や症状の落ち着き具合に合わせて、無理のないペースで進めていきましょう。
まとめ|ロフラゼプ酸エチルについて正しく理解しよう
ロフラゼプ酸エチルは、不安や緊張、眠れなさなどのつらさを和らげるために使われるベンゾジアゼピン系の抗不安薬です。作用は比較的穏やかで長く続きますが、眠気やふらつき、長く飲み続けたときの依存などには注意が必要です。
医師の指示に従い、用量や飲む時間を守りながら、気になる症状があれば一人で抱え込まず早めに相談しましょう。ぜひ、本記事の内容を参考にして、ロフラゼプ酸エチルと上手に付き合ってくださいね。
参考
ロフラゼプ酸エチル添付文書
ロフラゼプ酸エチルお薬のしおり
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