ブロチゾラムは、寝つきをよくする作用が特徴の睡眠薬で、不眠症治療に使われる薬です。ただし、効果の感じ方や副作用の出方には個人差があり、眠気・ふらつきなどが出ることもあれば、服用の仕方や併用薬によっては注意点が増える場合もあります。
この記事では、ブロチゾラムを正しく理解するために必要な情報を、特徴や期待できる効果、基本的な飲み方などに分けて解説します。また、副作用や注意点も紹介するため、安心して服用したい方はぜひ読んでみてくださいね。
ブロチゾラム(レンドルミン)とはどんな睡眠薬?

出典:阪野クリニック
ブロチゾラムは、不眠症の治療に使われるベンゾジアゼピン系※1 の短時間型の睡眠薬です。
脳のベンゾジアゼピン受容体に作用してGABA※2 の働きを高めることで、神経の興奮をしずめ、寝つきを助ける効果があります。効き始めが比較的早く、効果も長く続きにくいため、翌朝まで薬が残りにくい点が特徴とされています。
加えて、ブロチゾラムはジェネリック医薬品が存在しており、先発薬はレンドルミンとなっています。
※ベンゾジアゼピン系:脳の働きをしずめるGABAの作用を強めることで、不安や緊張をやわらげ、眠りに入りやすくするタイプの薬。
※GABA:脳の働きをしずめる神経伝達物質で、不安や緊張をやわらげ、眠りに入りやすくする働きがある。
ブロチゾラム(レンドルミン)に期待できる効果
ここでは、ブロチゾラムに期待できる効果を3つに分けて解説します。
寝つきを良くしてスムーズな入眠をサポート
ブロチゾラムは、脳の興奮をしずめることで、寝つきを良くする効果が期待できる睡眠薬です。脳内のGABAという物質の働きを助けることで、神経の過剰な活動が抑えられ、入眠しやすい状態を作ります。
その結果として、入眠までの時間を短くしやすい作用があるため、入眠障害に悩む方に使用されることが多いです。
不安や緊張をやわらげて眠りに入りやすくする
ブロチゾラムには、不安や緊張をやわらげる作用もあり、眠りに入りやすい状態を作る効果が期待されます。
神経の高ぶりを落ち着かせることで、心と体が少しずつリラックスした状態に近づき、寝つきが改善しやすい状態になるとされています。
ただし、ブロチゾラムでは、不安そのものの原因がなくなるわけではありません。
はなせる薬局 薬剤師主治医と相談しながら、症状に応じて別の抗不安薬の検討やカウンセリングなどを含めた治療方法を検討することがあります。
夜間の途中覚醒を軽減する場合がある
ブロチゾラムは、神経の過剰な興奮をおさえることで睡眠を安定させる薬です。
脳がずっと緊張した状態だと眠りが浅くなり、夜中に何度も目が覚めてしまいやすくなりますが、この薬によって心身の高ぶりが落ち着くと、結果として途中で起きてしまう回数が減る場合があります。
ただし、もともとは寝つきを改善する目的で使われることが多い短時間型の睡眠薬であり、夜間の途中覚醒※への効果には個人差ががあります。
夜中に目が覚めてつらい状態が続くときは、ほかの薬への切り替えや併用も含めて主治医に相談しましょう。
※途中覚醒:夜中に何度も目が覚めてしまう状態のこと。再び寝つきにくいこともあり、睡眠の質が低下しやすい。
ブロチゾラム(レンドルミン)の基本的な飲み方
ブロチゾラムの基本的な飲み方について詳しく解説します。服用タイミングや用量、飲み忘れた際の対処法を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
就寝前に1回、医師の指示に従って服用する
ブロチゾラムは、不眠症に対しては通常1日1回、就寝前に服用するよう処方されます。頓服というより、毎晩決まったタイミングで飲んで効果を安定させるタイプの睡眠薬です。
布団に入る直前から寝る直前に飲み、服用後はすぐ横になれる状態にしておくとよいでしょう。
はなせる薬局 薬剤師用量は、症状や年齢を見ながら医師が調整します。服用しても眠れない状態が続くときは、無理せず主治医に相談しましょう。
成人・不眠症の場合は通常0.25mg
成人の不眠症では、ブロチゾラムは通常0.25mgを就寝前に1回飲むとされています。高齢の方は、ふらつきなどの副作用が出やすいため、より少ない量から始めることもあります。
効き目が弱いと感じても、自分の判断で錠数を増やすのは控えましょう。逆に、翌朝まで眠気が残る、ふらつきが強い、転びそうになるといった症状があれば、無理せずに次の受診時に必ず医師へ相談しましょう。
服用を忘れた場合はどうする?
ブロチゾラムの服用を忘れたことに気づいたときは、まず時間帯を確認することが大切です。
すでに就寝予定時刻をかなり過ぎている場合は、日中に眠気やふらつきが残るリスクを避けるため、その日は無理に飲まずスキップした方が安全です。
朝方や起床後に気づいても追加で飲むのではなく、次の就寝時に通常の量を飲むようにしてください。 また、飲み忘れた分をまとめて飲むことはやめましょう。
はなせる薬局 薬剤師もし、飲み忘れが続いてしまう場合は、アラームを活用したり、服用時間を少し調整したりといった方法で対策するのがおすすめです。
ブロチゾラム(レンドルミン)の副作用【眠気・ふらつき・だるさ等】
ブロチゾラムの主な副作用は、以下の通りです。
| 生じる恐れがある副作用 | 症状の特徴 |
| 残眠感・眠気 | 朝になっても強い眠気やぼんやり感が残る |
| ふらつき・転倒 | 立ち上がりや歩行時にふらつき、転びやすくなる |
| だるさ・倦怠感 | 体が重い、疲れやすいなど全身のだるさを感じる |
| 発疹・紅斑などのアレルギー症状 | 皮膚に赤み・ブツブツ・かゆみが出る |
| 精神症状(不穏・興奮・いらいら) | 落ち着かない、興奮する、イライラするなど普段と違う精神状態になる |
| 一過性前向性健忘・もうろう状態 | 薬を飲んだ後の出来事を覚えていない、ぼんやりして妙な行動をとる |
| 依存性・離脱症状 | 長く飲み続けると薬がないと眠れない・不安になる、急にやめると不眠や不安が悪化する |
上記のような症状が現れた場合は、診察時に医師に申告してください。
ブロチゾラム(レンドルミン)に関する注意点
ブロチゾラムを服用する際には、押さえておくべき注意点があります。ここでは、5つの注意点について分かりやすく解説します。
アルコールとの併用は避ける
ブロチゾラムを飲むときは、アルコールとの併用は基本的に避けた方が安全です。お酒にも中枢神経※を抑える作用があり、睡眠薬と併用すると鎮静作用や倦怠感が強くなる恐れがあります。
その結果、ふらつきや転倒、判断力の低下がひどくなり、思わぬ事故やけがにつながりやすくなるリスクがあります。
はなせる薬局 薬剤師飲み会などでどうしてもお酒を飲む可能性がある場合は、あらかじめ主治医と方針を決めておきましょう。
※中枢神経:脳や脊髄のことで、体の動きや感覚、意識などをコントロールする働きを担っている。
車の運転や注意力が必要な作業は避ける
ブロチゾラムを服用している間は、車の運転や高い注意力が必要な作業は避けましょう。残った眠気や集中力の低下により、ブレーキを踏むまでの反応が遅くなったり、周りの状況を見落としたりする恐れがあります。
夜に飲んだ場合でも、体質や睡眠時間によっては翌朝までぼんやり感が残ることがあります。特に高所での作業や重機・機械の操作など、ミスが大きな事故につながる仕事を行う可能性がある場合は、事前に医師に伝えましょう。
日中の強い眠気などが続くときは、我慢せずに用量や服用時間の調整について医師に相談しましょう。
服用後はすぐに就寝できる環境を整える
ブロチゾラムは服用後15分~30分程度で速やかに効果が発現するため、服用後に寝ずに起きて活動していると、意識がもうろうとしたり記憶が抜ける(健忘)などの副作用が出ることが報告されています。
服用前に就寝準備をすべて済ませておき、あとは寝るだけという状態で飲むようにしましょう。
長期間の連続使用は避け、医師と相談しながら調整する
ブロチゾラムを含むベンゾジアゼピン系睡眠薬※は、長く飲み続けるほど依存や耐性が生じるリスクが高くなるとされています。
そのため、本来はできるだけ短期間の使用を目標にしつつ、症状が落ち着いてきたら少しずつ減量したり、ほかの治療法へ切り替えたりすることを検討した方が安心でしょう。
はなせる薬局 薬剤師実際に減らすタイミングやペースは、生活状況も踏まえて、主治医とよく相談しながら決めていくことが大切です。
※ベンゾジアゼピン系睡眠薬:脳の働きをしずめるGABAの作用を強めることで、不安や緊張をやわらげ、眠りに入りやすくするタイプの睡眠薬。
服用途中で自己判断で増減・中断しない
ブロチゾラムは、途中で自分の判断だけで増減したり、急にやめたりしないことがとても大切です。
いきなり中止すると、反動で強い不眠や不安、動悸などの離脱症状※が出てしまう場合があります。反対に、「効きが弱い気がするから」と勝手に錠数を増やすと、強い眠気やふらつき、呼吸が浅くなるなどの副作用が出やすくなり危険です。
仕事の状況や生活リズムの変化で合わなくなったと感じたときも、自己判断で調整せず、必ず受診して相談しましょう。減薬や中止は、少しずつ量や回数を変えながら進めるのが基本で、そのペースや方法は医師と一緒に決めていくのが安心です。
※離脱症状:薬の使用を急にやめたり減らしたりしたときに、一時的に不安や不眠、体の不調などがあらわれる状態のこと。
ブロチゾラム(レンドルミン)を服用できない方
ブロチゾラムには、そもそも服用できない人と、特に慎重な判断が必要な人がいます。必ず診察時に当てはまるものがないか伝えましょう。
【禁忌(原則として服用できない人)】
・急性閉塞隅角緑内障の方
・重症筋無力症の方
【服用を避けるか、慎重に検討すべき人】
・重い呼吸器の病気がある人、睡眠時無呼吸症候群といわれている人
・重い肝機能障害がある人
・妊娠中、妊娠の可能性がある人、授乳中の人
・アルコールや薬物への依存症がある人、依存の治療中の人
・他の睡眠薬や抗不安薬、精神科の薬など、中枢神経を抑える薬を複数飲んでいる人
・高齢で、ふらつきや転倒のリスクが高い人
上記に該当する場合でも、症状や体調によっては使用できるケースがあります。
はなせる薬局 薬剤師安全に治療を進めるためにも、服用前に必ず医師へ相談してください。
ブロチゾラム(レンドルミン)に関するよくある質問
ブロチゾラムに関して、患者様から寄せられることの多い、よくある質問に回答します。
効果はどれくらいで現れますか?
ブロチゾラムは、服用してから通常30分前後で眠気が出始めるとされています。短時間型の睡眠薬に分類され、比較的早く効き始めるタイプの薬です。
ただし、効き方やタイミングには個人差があり、その日の体調や睡眠状況によっても体感は変わります。基本的には、布団に入る直前から就寝直前に服用することを前提として処方されます。
どれくらいの期間服用できますか?
ブロチゾラムは、本来できるだけ短い期間にとどめて使うことが基本とされる睡眠薬です。長く飲み続けるほど、依存や耐性が生じたり、やめるときに離脱症状が出たりするリスクが高まりやすくなります。
数週間から数ヶ月以上、継続して服用する必要がある場合は、必ず医師と相談しながら決めましょう。
はなせる薬局 薬剤師減薬のペースや方法も、主治医と一緒に考えていくと安心でしょう。
ブロチゾラムは依存性がありますか?
ブロチゾラムは、ベンゾジアゼピン系に分類される睡眠薬であり、長期間連続して服用すると依存性が生じる可能性のあるお薬です。
毎晩飲み続けているうちに、飲まないと強い不安や不眠が出てしまい、「やめたくてもやめにくい」と感じる状態になることがあります。また、身体が薬に慣れ、同じ用量では効きにくくなる耐性が生じる場合もあります。
ただし、適切な量を守り、できるだけ短期間の使用を心がけ、必要に応じて少しずつ減らしていけば問題ないため、医師の指示に従い服用するようにしましょう。
他の睡眠薬や抗不安薬と併用できますか?
ブロチゾラムは、他の睡眠薬や抗不安薬と併用されることもありますが、中枢神経を抑える作用どうしが重なり、強い眠気やふらつき、等の副作用が起こりやすくなります。
特に同じベンゾジアゼピン系の睡眠薬・抗不安薬との併用は、依存のリスクも考慮し特に注意が必要です。また、抗うつ薬や抗精神病薬、抗ヒスタミン薬なども眠気を強める場合があります。
今飲んでいる薬や市販薬、サプリなどは必ず医師や薬剤師に伝え、自己判断で薬を加したり減らしたりしないようにしましょう。
ブロチゾラムとベルソムラの違いは何ですか?
ブロチゾラムとベルソムラは、どちらも不眠に使われますが、働き方が大きく異なります。ブロチゾラムはベンゾジアゼピン系で、GABAの働きを助けることで神経の過剰な活動が抑え、比較的すばやく眠気を引き出します。
その一方で、長く飲み続けると依存や耐性、離脱症状のリスクが高まりやすい点には注意が必要です。
ベルソムラはオレキシン受容体拮抗薬に分類され、目を覚ましておく働きのあるオレキシンをブロックすることで、自然な眠りに入りやすくするとされています。依存性は比較的少ないとされますが、人によっては効き始めがゆるやかで、実感まで時間がかかる場合もあります。
はなせる薬局 薬剤師不眠のタイプや持病、他の薬との飲み合わせを踏まえ、どちらが合うかは主治医と相談しながら決めていきましょう。
関連記事:【薬剤師監修】ベルソムラとはどんな睡眠薬?効果・副作用・服用タイミング・注意点を解説
参考:ベルソムラ添付文書
ベルソムラお薬のしおり
ブロチゾラムは寝る何分前に飲めばよいですか?
ブロチゾラムは、寝るかなり前に飲む薬ではなく、就寝前に服用するのが基本です。飲んだあとにいったん起きて仕事や家事をする可能性がある日は、使わないほうが安心です。
一般に、催眠作用は15~30分ほどであらわれるとされているため、眠る準備が整ったタイミングで飲むことが大切になります。早めに飲んで待つよりも、すぐ休める状態で服用するほうが合いやすいことがあります。
飲む時間に迷うときは、無理に自己判断せず、生活リズムに合わせて医師に相談してください。
ブロチゾラムが効かないときはどうすればよいですか?
ブロチゾラムが効かないと感じるときは、まず飲むタイミングが合っているかを見直すことが大切です。就寝前に服用する薬なので、眠る準備が整わないまま飲むと、使いにくさを感じることがあります。
また、ほかの薬の影響で作用が弱くなる場合もあり、一部の薬では効き方が落ちることが知られています。眠れない日が続くと焦りや不安が強くなりやすいですが、自己判断で量を増やすのは避けたいところです。
はなせる薬局 薬剤師つらさを一人で抱え込まず、今の飲み方や生活リズムも含めて医師に相談してみてください。
ブロチゾラムは毎日飲んでも大丈夫ですか?
ブロチゾラムは毎日使うこともありますが、漫然と長く続けるのは避けたい薬です。続けて使うことで依存が生じることがあり、急に減らしたりやめたりすると、不眠や不安などの離脱症状が出る場合もあります。
そのため、毎日飲んでいる場合でも、そのまま自己判断で続けたり中止したりせず、治療上の必要性を定期的に確認していくことが大切です。
眠れないつらさが続くと薬に頼りたくなるのは自然なことですが、無理をせず、医師と相談しながら自分に合う使い方を見つけていくと安心です。
まとめ|ブロチゾラム(レンドルミン)について正しく理解しよう
ブロチゾラムは、GABAの働きを高めて脳の興奮や不安をしずめ、寝つきを良くする短時間型の睡眠薬です。
即効性があり翌朝まで薬が残りにくい一方で、長期連用では依存や耐性、ふらつきや転倒などのリスクが高まります。就寝前のみの服用を守り、アルコールや車の運転には十分注意しましょう。
本記事の内容を参考にしながら、ご自身に合った睡眠治療を考える際の一助としていただければ幸いです。
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