「足腰が痛くてつらいけれど、牛車腎気丸を飲んで本当に良くなるのかな…」
「漢方薬は長く飲み続けないといけないのか不安…」
「牛車腎気丸を飲んで、副作用が出ないか心配…」
このような不安を抱える方も多いのではないでしょうか。この記事では、日々患者さまの服薬指導を行なっているはなせる薬局薬剤師の監修のもと、牛車腎気丸(107番)の特徴や期待できる効果、基本的な飲み方、副作用や注意点についてわかりやすく整理します。
この記事を読んだ方にお薬について知ってもらうことで、理解しながら最適な治療を選択するための一歩となれば幸いです。
牛車腎気丸とは

出典:Kracie
牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)は、漢方薬のひとつで、ツムラから発売されている107番の番号がついたお薬です。疲れやすくて手足が冷えやすい方の、腰痛や下肢痛、しびれ、頻尿などの改善を目的として用いられます。
漢方医学では、加齢や疲労によって生命力が低下した状態を補うお薬として知られています。自然の生薬であるジオウ、ゴシツ、サンシュユなど、10種類の成分が配合されており、これらが作用し合ってさまざまな症状をやわらげる効果が期待されています。
はなせる薬局 薬剤師医師の診断に基づいて処方されるお薬ですので、ご自身の症状に合っているかどうか、主治医と相談しながら治療を進めることが大切です。
牛車腎気丸に期待できる効果
ここでは、牛車腎気丸に期待できる効果を4つ紹介します。
疲れやすく手足が冷える方の「腰痛・下肢痛・しびれ」を和らげる
牛車腎気丸は、冷えを伴う体の痛みやしびれを和らげる効果が期待できるお薬です。
血流を良くしたり、痛みを抑えたりする生薬が含まれており、特に下半身のつらい症状に対して処方されることが多くなっています。そのため、年齢とともに足腰が痛むようになった方や、足がしびれて歩きにくいと感じている方の症状を和らげる助けとなります。
すぐには変化を感じられないかもしれませんが、少しずつ症状が軽くなっていくことが期待されるため、焦らずに服用を続けることが大切です。不安なことがあれば医師に相談しましょう。
尿量の減少・多尿や口渇がある方の「頻尿・排尿困難」を改善する
トイレの回数が多くて困っている方や、尿が出にくいと感じている方にも、牛車腎気丸は効果が期待できます。
このお薬は、体内の水分のバランスを整える働きがあり、尿のトラブルをやわらげる助けとなるでしょう。のどが渇きやすいのに尿が出にくいといった症状や、夜中に何度もトイレに起きてしまうといった悩みを軽くしてくれる可能性があります。
睡眠不足や外出時の不安など、生活の中でのつらさが少しでも減るように、医師の指示に沿って服用を継続していくことが大切です。
疲れやすく手足が冷える方の「むくみ・かゆみ」を和らげる
牛車腎気丸は、体の余分な水分を取り除き、むくみを改善する効果も期待されています。
特に足のむくみが気になる方や、手足が冷えてつらいと感じる方に処方されることが多いです。また、皮膚の乾燥によるかゆみに対しても効果が期待できます。血行を促すことで、全身に栄養と水分を行き渡らせて、お肌の調子を整えるサポートをしてくれます。
はなせる薬局 薬剤師体の重だるさやかゆみがやわらぐことで、日々の生活が少しでも快適になるよう、ご自身の体調を見ながら服用を続けてみてください。
疲れやすく手足が冷える高齢者の「かすみ目」を改善する
年齢を重ねるにつれて、目がかすんだり見えにくさを感じたりすることがあるかもしれません。牛車腎気丸は、そのような高齢者のかすみ目を改善する働きも期待できるお薬です。
漢方では、目と体全体の栄養状態には深い関わりがあると考えられています。このお薬は、低下した生命力を補うことで、目の症状にも優しくアプローチしてくれます。
視界がスッキリしないと気分も沈みがちになりますが、お薬のサポートを受けながら、少しずつ症状が和らいでいくのを見守りましょう。
牛車腎気丸の基本的な飲み方
牛車腎気丸の基本的な飲み方として、飲む回数や頻度、タイミングなどを紹介します。ぜひ参考にしてください。
1日2〜3回に分けて服用する
牛車腎気丸は通常、大人の場合は1日あたり2回から3回に分けて服用します。年齢や体重、症状によって飲む量は調整されるため、医師から指示された量を守ることが大切です。
漢方薬は、一度にたくさん飲めば効果が早く出るというものではありません。決められた量を毎日続けることで、じわじわと体に働きかけてくれます。
もし飲み忘れてしまった場合は、気づいた時に1回分を飲んでください。ただし、次に飲む時間が近い場合は、1回とばして次のタイミングで服用しましょう。
はなせる薬局 薬剤師2回分を一度に飲むことは避けてください。
食前または食間に服用することが多い
漢方薬は、胃の中に食べ物が入っていない「食前」または「食間」に飲むのが一般的です。食前とは食事の約30分前、食間とは食事と食事の間で、食後2時間ほど経った頃のことです。
空腹の状態で飲むことで、お薬の成分が体に吸収されやすくなるとされています。お湯に溶かしてゆっくりと香りを感じながら飲むと、より効果的だと言われています。
お腹が空いている時に飲むと胃がムカムカするなど、不快感がある場合は、食後に飲んでも問題ないケースもあります。無理をせず、医師や薬剤師に相談してご自身に合った飲み方を見つけてください。
牛車腎気丸の副作用
牛車腎気丸の副作用は、以下の表のとおりです。
| 生じる恐れがある副作用 | 症状の特徴 |
| 発疹・発赤・かゆみ | 皮膚に赤みやかゆみ、発疹があらわれることがある。 |
| 消化器症状 | 食欲不振、胃の不快感、吐き気、嘔吐、お腹の張り、腹痛、下痢、便秘などがあらわれることがある。 |
| のぼせ・どうき・舌のしびれ | 動悸がする、顔がほてってのぼせる、舌がしびれるなどがあらわれることがある。 |
| 間質性肺炎(まれ) | 咳、息切れ、呼吸困難、発熱などがみられることがある。 |
以上の副作用はすべてを記載したものではありません。上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。
牛車腎気丸に関する注意点
牛車腎気丸に関する注意点を紹介します。
自己判断で服用を中止せず医師に相談する
牛車腎気丸を飲んでいて、効果があまり感じられないことや、逆に少し良くなったと感じることがあるかもしれません。しかし、ご自身の判断で飲むのをやめたり、量を減らしたりするのは避けてください。
漢方薬はゆっくりと体質を整えていく働きがあるため、効果を実感するまでに時間がかかります。また、途中でやめてしまうと、症状がぶり返してしまう可能性もあります。
体調に変化があった時や、お薬のことで不安を感じた時は、必ず主治医に相談しましょう。
はなせる薬局 薬剤師一人で悩まずに、専門家の意見を聞きながら治療を進めることが大切です。
ほかの漢方薬(特にブシを含むもの)との飲み合わせに注意する
複数の漢方薬を一緒に飲むと、同じ成分が重なってしまい、効き目が強く出すぎたり、副作用が起こりやすくなったりすることがあります。
特に牛車腎気丸には「ブシ」という生薬が含まれているため、他の漢方薬にもブシが入っている場合は注意が必要です。副作用であるのぼせや動悸、舌のしびれなどがあらわれやすくなるおそれがあります。
そのため、ほかの病院から処方されているお薬や、市販の漢方薬、サプリメントを飲んでいる場合は、必ず医師や薬剤師に伝えてください。安全に治療を続けるためにも、飲み合わせの確認はとても大切です。
妊娠中・授乳中の人は事前に医師へ相談する
妊娠中の方や、妊娠している可能性のある方は、牛車腎気丸の服用を避けることが望ましいとされています。お薬に含まれるゴシツやボタンピといった成分が、お腹の赤ちゃんに影響を与える可能性が考えられるためです。
また、授乳中の方についても、お薬の成分が母乳を通じて赤ちゃんに届く可能性があるため、服用には慎重な判断が必要です。
母体と赤ちゃんの健康を守るためにも、妊娠中や授乳中の方は自己判断で服用せず、必ず医師に相談してください。お一人おひとりの状態に合わせて、最も安全な治療方法を一緒に考えていきましょう。
胃腸が弱い人や、のぼせやすい人は注意が必要
もともと胃腸が弱く、食欲がない方や吐き気がある方が牛車腎気丸を飲むと、それらの症状が悪化してしまうことがあります。また、暑がりで顔が赤くなりやすい、のぼせやすい体質の方も、動悸やのぼせが強く出ることがあるため注意が必要です。
漢方薬は、その人の体質や症状に合わせて処方されるものです。ご自身の体質と合っていないと、思わぬ不調を感じることがあります。
もし、服用を始めてから胃の不快感や異常なのぼせを感じた場合は、無理をして飲み続けず、早めに医師や薬剤師に相談して対処法を考えてもらいましょう。
牛車腎気丸の服用を避けるべき人の特徴
牛車腎気丸の服用を控えるべき、または慎重に判断する必要がある方の特徴は以下の通りです。
・体力があり充実している方(副作用が出やすくなる恐れがあります)
・暑がりで、のぼせが強く、赤ら顔の方
・胃腸が著しく弱く、食欲不振や吐き気、嘔吐がある方
・妊娠中または妊娠している可能性のある方
・授乳中の方
・小児など(ブシという成分が含まれているため注意が必要です)
・高齢の方(生理機能が低下していることが多いため、量の調整が必要です)
これらに当てはまる場合は、ご自身の判断で服用せず、必ず医師に相談してください。
はなせる薬局 薬剤師安全に治療を進めるための大切なステップです。
牛車腎気丸に関するよくある質問
患者さまから寄せられることの多い、牛車腎気丸に関するよくある質問に回答します。
牛車腎気丸は効果が出るまでどれくらいかかりますか?
牛車腎気丸の効果を感じるまでの期間には、お一人おひとりの体質や症状の重さによって違いがあります。
早い方では数週間ほどで痛みが和らいだと感じることもありますが、一般的には1ヶ月から数ヶ月ほど継続して服用することで、少しずつ効果があらわれることが多いです。
漢方薬は体全体のバランスを整えながら症状を改善していくため、即効性を期待するというよりは、じっくりと体質改善に取り組むイメージを持つと良いでしょう。焦らずに、毎日の服用を続けてみてください。
牛車腎気丸はどのくらいの期間飲み続けますか?
服用する期間は、お一人おひとりの症状の改善具合や体質によって大きく異なります。数ヶ月で症状が落ち着いてお薬の服用を終了する方もいれば、長期間にわたってじっくりと飲み続ける方もいらっしゃいます。
少し症状が良くなったからといって、ご自身の判断ですぐにやめてしまうとつらい症状がぶり返してしまうおそれがあるため注意が必要です。医師は定期的な診察で体の状態を確認しながら、お薬を減らすタイミングや終了する時期を慎重に見極めてくれます。
はなせる薬局 薬剤師不安なことがあれば、診察の際に遠慮なく医師へ聞いてみましょう。
牛車腎気丸と八味地黄丸(はちみじおうがん)の違いは何ですか?
牛車腎気丸と八味地黄丸は、どちらも加齢に伴う足腰の痛みや頻尿などに使われる漢方薬で、似たような働きを持っています。
八味地黄丸は8つの生薬から作られていますが、牛車腎気丸はその8つの生薬に、「ゴシツ」と「シャゼンシ」という2つの生薬がさらに加えられたものです。
この2つの生薬が加わることで、むくみを改善する働きや、下半身の痛みを和らげる働きがより強くなっているのが特徴です。むくみや痛みがより強い方には、牛車腎気丸が適していると考えられます。
牛車腎気丸は市販で買えますか?
牛車腎気丸と同じ名前の漢方薬は、薬局やドラッグストアでも市販薬として販売されています。そのため、病院に行かなくても購入することは可能です。
ただし、市販薬と病院で処方される医療用の漢方薬では、含まれている成分の量に違いがある場合があります。また、ご自身の体質や症状に本当に合っているかどうかを自分で判断するのは難しいこともあります。
安全に、そして効果的に治療を進めるためにも、まずは医療機関を受診して医師の診断を受けると安心でしょう。
牛車腎気丸は長期服用できますか?
牛車腎気丸は、症状の改善や体質の維持を目的として、数ヶ月から数年にわたり長期間服用されることもあるお薬です。医師の指導のもとで適切に使用している限り、長く飲み続けること自体に大きな問題はないとされています。
ただし、長期間服用する中では、体調や体質が変化することもあります。定期的に医師の診察を受け、今の自分にお薬が合っているか、副作用は出ていないかを確認してもらうことがとても大切です。
はなせる薬局 薬剤師安心して治療を続けられるよう、医師とのコミュニケーションを大切にしてください。
まとめ|牛車腎気丸について正しく理解しよう
牛車腎気丸は、足腰の痛みやしびれ、頻尿やむくみといった、加齢や疲労に伴うつらい症状をやわらげる効果が期待できる漢方薬です。体を温めながら水分のバランスを整え、じわじわと体調をサポートしてくれます。
効果を実感するまでには少し時間がかかることがありますが、焦らずに医師の指示通り服用を続けることが改善への近道となります。体調の変化や不安を感じたときは、決して自己判断でやめたりせず、医師や薬剤師に相談してください。
この記事を読んだ方に牛車腎気丸について知ってもらうことで、理解しながら最適な治療を選択するための一歩となれば幸いです。
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