「四物湯って本当に効くの?」
「四物湯はどれくらいの期間飲めばいい?」
「四物湯に副作用はないの?」
このような不安を抱えている方も少なくありません。
四物湯(しもつとう)は、血(けつ)が不足しがちで、冷えや肌の乾燥、月経不順などが気になるタイプのときに用いられることがある漢方薬で、体のバランスを整えることを目的に使われます。なお、漢方薬には番号が割り振られており、四物湯は71番です。
この記事では、期待できる効果や服用機関の目安、基本的な飲み方などを分かりやすく説明します。安心して治療に取り組みたい方のお役に立てれば幸いです。
四物湯とは

出典:ツムラ
四物湯は、4種類の植物由来の成分を組み合わせて作られた、長い歴史を持つ漢方薬です。『四物湯』という名は、当帰・芍薬・川芎・地黄という四つの生薬を基本として成り立つことから“四つの薬”を意味して名づけられた処方名です。
このお薬は、体をうるおす血(けつ)を補い、その巡りを整えることで、体調を立て直す目的で使われます。特にお肌が乾燥してカサカサしたり、顔色がすぐれなかったりする体質の方に合うとされています。
胃腸に負担の少ない方のほうが合いやすく、内側から巡りを整えることで、冷えや月経の悩み、産後の疲れなどに対して処方されることがあります。
はなせる薬局 薬剤師体調が不安定な時期に、体の巡りを整える目的で処方されることがあります。
四物湯に期待できる効果
四物湯は、血(けつ)を補い、その巡りを整えることで体調を整える漢方薬です。
特に月経にまつわる不調や、産後・病後の回復期など、血の不足が目立つ状態に対して処方されることが多いとされています。
産後・流産後の疲労回復を助ける
産後や流産後は、体に大きな負担がかかり、血(けつ)が不足しやすい状態になることがあります。四物湯は、このような「血の不足」による体のだるさや回復の遅れがみられる場合に用いられる漢方薬です。
不足した血を補い、その巡りを整えることで、産後の疲れや冷え、顔色の悪さなどの改善を目指す処方とされています。
心身ともに負担のかかりやすい時期には、体調を整えながら少しずつ日常生活へ戻っていくことが大切です。四物湯は、その過程で用いられることのある漢方薬の一つです。
月経不順の改善が期待できる
月経の周期が乱れたり、経血量が少なかったりする背景には、漢方でいう「血(けつ)」の不足が関わることがあります。
四物湯は、このような血の不足を補い、その巡りを整えることを目的とした処方です。体が本来のリズムを保ちやすい状態へ導く漢方薬として、月経の不調が気になる方に用いられることがあります。
はなせる薬局 薬剤師そのため、毎月の不調に悩んでいる方にとって、体調を整える方法の一つとして用いられることがあります。
冷え症を和らげる
手足が冷えて寝付けない、あるいは冬場に限らず体が冷たく感じるという悩みにも、四物湯は適しています。
漢方では、体をめぐる「血(けつ)」が不足すると、必要な栄養や温かさが全身に行き届きにくくなると考えます。四物湯は、この血を補い巡りを整えることを目的とした処方で、冷えが気になる方に用いられることがあります。
内側の巡りが整ってくると、冷えによるつらさが軽くなり、顔色や肌の状態が自然と整ってくる方もいます。
しもやけの改善を助ける
冬の寒さで手足にできるしもやけは、血行不良が主な原因の一つです。
四物湯は、漢方の考え方で“血(けつ)”を補い、その巡りを整えることを目的とした処方です。体質として血の巡りが悪い傾向がある場合、冷えによる手足のつらさが軽くなることがあり、その一環としてしもやけを繰り返す方に使われることがあります。
ただし、直接的にしもやけそのものを治す薬ではなく、体質や巡りに着目したサポートとして用いられるという位置づけになります。
しみの改善に役立つ
しみができやすい原因の一つに、肌への栄養供給が不足し、ターンオーバーが乱れることが挙げられます。
血が不足していると、肌が乾燥しやすくカサつきやすいため、必要な栄養が行き届きにくい状態になります。四物湯はこの“血虚”の体質を整えることで、肌の潤いを保ちやすくし、健やかな肌を目指す土台づくりをサポートします。
漢方では、肌の状態は体の内側の状態と深く関わると考えられています。
はなせる薬局 薬剤師表面のケアだけでなく、体調や巡りを整えることも、肌の調子を保つうえで大切な要素とされています。
四物湯の基本的な飲み方・用法・用量
漢方薬は適切なタイミングと量で服用することで、その本来の効果を得やすくすることができます。正しい飲み方を理解し、習慣にしていきましょう。
通常は成人で四物湯を1日2〜3回に分けて服用
成人の場合、一般的には1日あたり2回から3回に分けて服用するのが基本です。製品の種類によって1包あたりの量が異なる場合がありますので、必ず手元のパッケージや説明書を確認してください。
そして、自分の判断で量を増やしたり減らしたりせず、決められた目安を守ることが、適切な効果を得るための方法です。毎日決まったタイミングで服用することで、お薬の効果が定着しやすくなるとされています。
食前または食間に四物湯を服用する
四物湯は、胃の中が空っぽの状態である食前、または食間に服用することが推奨されています。食前とは食事の30分ほど前を指し、食間とは食事と食事の間で、食後から約2時間経った頃のことです。
お腹が空いている時に服用することで、生薬の成分が吸収されやすくなるといわれています。もし胃腸が弱く空腹時に飲むと不快感がある場合は、食後での処方となることもあります。
はなせる薬局 薬剤師忘れないように、自分のライフスタイルに合ったタイミングを決めておくと良いでしょう。
四物湯を飲み忘れた場合の対処法
もし四物湯を飲み忘れてしまったときは、気づいた時点でできるだけ早く1回分を服用してください。
ただし、次の服用時間が近い場合は、1回分を飛ばして次から通常通りに飲み始めましょう。一度に2回分をまとめて飲むことは、体への負担が大きくなる可能性があるため、避けてください。
数日間服用できなかった場合は、その日から通常通りの用法・用量で再開するのが一般的です。服用を再開する際は、用法・用量を守り、体調の変化を確認しながら続けることが大切です。
四物湯の副作用【食欲不振・嘔吐・下痢など】
四物湯は穏やかに体に働きかけるお薬ですが、体質やその時の体調によっては副作用が現れることもあります。特に胃腸が弱い方は、服用後の体調変化に注意しながら様子を見るようにしてください。
| 生じる恐れがある副作用 | 症状の特徴 |
| 食欲不振 | 食事が進まない、食べたい気持ちがわきにくい |
| 胃部不快感 | 胃が重い・ムカムカする、胃がもたれる感じが続く |
| 悪心(吐き気) | 吐き気がする、気持ち悪さが続く |
| 嘔吐 | 吐いてしまう、吐き気が強く日常生活に支障が出る |
| 下痢 | 便がゆるい・回数が増える、お腹がゴロゴロする |
もし服用を始めてからこのような症状を感じた場合は、決して無理をせず一旦お薬を中断して様子を見てください。気になることがあれば一人で抱え込まず、早めに医師や薬剤師へ相談して、ご自身の体調を一番大切にしてくださいね。
四物湯に関する注意点
服用を続ける上で、いくつか気をつけておきたいポイントがあります。安全にお薬を利用するために、以下の内容を意識してみてください。
医師に経過を観察してもらい、漫然と飲み続けないようにする
四物湯を服用している間は、体調の変化を慎重に見守ることが重要です。漢方薬は効果が穏やかなものが多いですが、長期間にわたって漫然と飲み続けるのは控えましょう。
数週間服用しても症状の改善が見られない場合や、逆に違和感がある場合は、体質に合っていない可能性があります。定期的に医師や薬剤師に今の状態を伝え、継続すべきかどうかを確認してもらうことが安心に繋がります。
はなせる薬局 薬剤師自分の体の声に耳を傾け、今の自分にとって最適なかたちで服用を続けてください。
他の漢方薬・生薬系サプリとの併用には注意する
すでに他の漢方薬や生薬を配合したサプリメントを飲んでいる方は、成分の重複に注意が必要です。
異なる名前のお薬であっても、同じ生薬が含まれていることがあり、摂取しすぎると副作用のリスクが高まります。他のお薬やサプリメントとの併用を考えている場合は、併用を考えている場合は必ず医師または薬剤師に相談してください。
また、現在服用中のものがあるなら、お薬手帳を活用して全てを医師や薬剤師に提示することが大切です。自分一人で判断せず、専門的な意見を仰ぐようにしましょう。
保管する際には湿気と直射日光を避ける
漢方薬の品質を保つためには、保管環境にも気を配る必要があります。
漢方薬は湿気の影響を受けやすいため、湿気の多い場所や直射日光が当たる場所を避けて保管しましょう。冷暗所などの涼しくて乾いた場所が、お薬の品質を保つために適しています。
四物湯の服用を避けるべき人の特徴
四物湯は血を補い巡りを整えるためのお薬ですが、体質や体調によっては慎重な判断が必要になることもあります。まずはご自身が以下の特徴に当てはまっていないか確認してみましょう。
〇医師に慎重に判断してもらう必要がある方
・過去に四物湯を服用して、発疹やかゆみ、発熱などのアレルギー症状が出たことがある方 ・構成成分である当帰、川芎、芍薬、地黄のいずれかに対して、過敏症の経験がある方
・現在、重篤な疾患の治療を受けている方
・自己判断が難しい乳幼児など、専門家による特別な指導がない状態にある方
・日常的に下痢をしたり胃もたれを感じたりしやすい方
・食欲不振の方
・妊娠中や授乳中の方
・すでに他の漢方薬や生薬を含むサプリメントを常用している方
はなせる薬局 薬剤師医師に相談をすることで、今のあなたに最適な飲み方や代わりのお薬を提案してもらうことができるでしょう。
四物湯に関するよくある質問
初めて服用する際には、不安なことや気になる点が出てくるものです。皆さんがよく感じる疑問についてお答えしていきます。
四物湯を服用してどれくらいで変化を感じますか?
漢方薬の効果が出るまでの時間は個人差が大きく、目的とする症状によっても変わります。
冷えやだるさなどの変化であれば、数週間ほど服用を続けることで、徐々に体調が整ってくるのを感じられるでしょう。一方で、肌のしみや月経不順などは、体のサイクルに合わせてゆっくりと改善していくため、さらに期間を要することが必要になることが多いです。
焦らずに、毎日自分のペースで続けていくようにしましょう。
四物湯の代わりになる市販薬はありますか?
ドラッグストアなどでも、四物湯や四物湯をベースにした市販薬を購入することが可能です。例えば、有名なメーカーから販売されている当帰芍薬散などは、四物湯と一部の生薬が共通しており、冷えや月経トラブルに用いられます。
市販薬を選ぶ際は、薬剤師や登録販売者に自分の症状を詳しく伝えて、どれが一番合っているかを確認しましょう。病院で処方されるお薬とは成分の配合量が異なる場合もありますので、説明書をよく読むことが重要です。
はなせる薬局 薬剤師まずは手軽に試してみたいという方にとって、市販薬は健康への第一歩として役立つ選択肢となります。
四物湯と当帰芍薬散の違いは何ですか?
四物湯と当帰芍薬散はどちらも女性の不調に使われることが多い漢方ですが、向いている体質や症状に違いがあります。
四物湯は、皮膚の乾燥や色つやの低下が気になる人で、月経不順や冷え、しもやけ、産後の回復などに使われることがあります。比較的、胃腸が弱くない人に向くと考えられています。
一方の当帰芍薬散は、冷えに加えて、むくみやめまい、疲れやすさがある人に合いやすい処方です。貧血や更年期の不調、月経トラブルなど、幅広い悩みに使われることがあります。
似ているようでも、体の状態によって合う処方は変わります。迷ったときは無理に選ばず、今の症状をもとに相談しながら決めると安心です。
四物湯と温経湯の違いは何ですか?
四物湯は、乾燥しやすい肌や色つやの低下、月経不順、冷え症、しもやけ、産後の疲労回復などに向く処方です。
温経湯は、比較的体力が落ちた冷え症の人で、手のひらのほてり、口唇の乾燥、下腹部の冷えや痛みがある場合に用いられる漢方薬です。他にも、更年期障害や月経異常、不妊などに使われることもあります。
どちらも冷えに使うことはありますが、体の冷え方や伴う症状が異なります。迷うときは無理に決めつけず、今つらい症状をそのまま伝えると選びやすくなります。
四物湯はツムラとクラシエで違いがありますか?
四物湯という名前は同じでも、ツムラの医療用とクラシエの市販薬では、使い方や対象に少し違いがあります。
ツムラの医療用は、体質や症状に合わせて医師が判断して使うもので、産後の回復や月経不順、冷え症、しもやけなどに用いられることが多いです。
また、クラシエの市販薬は、自分で選んで使えるように作られており、更年期の不調や貧血なども含めて幅広く対応できるようになっています。
どちらも同じ生薬をもとにしていますが、量や対象が異なるため、同じ感覚で選ばないほうが安心です。
はなせる薬局 薬剤師迷ったときは、無理に一人で決めず、薬剤師などに相談しながら選ぶと落ち着いて使いやすくなります。
四物湯は男性でも飲めますか?
四物湯は女性向けの印象が強い処方ですが、男性が絶対に使えないわけではありません。大事なのは性別よりも、体質と症状が合っているかどうかです。
四物湯は、皮膚が乾燥しやすく、色つやが悪く、胃腸が弱くない人の冷えやしもやけなどに使われることがあります。そのため、男性でも同じような状態なら候補になる場合があります。
ただし、自己判断で続けるのではなく、別の原因が隠れていないかも含めて相談しながら使うほうが落ち着いて続けやすいです。
四物湯は毎日飲み続けてもよいですか?
四物湯は、症状や体質を見ながら続けて使うことがありますが、合わないまま長く飲み続けるのは避けたいところです。
四物湯は、改善が乏しいときには漫然と続けないこと、ほかの漢方と一緒に使うときは生薬の重なりに気をつけることが大切です。
また、胃腸が弱い人では食欲不振、胃の不快感、吐き気、下痢などが出ることもあります。
はなせる薬局 薬剤師続けるほど不安になるときほど、一人で抱えず、早めに医師や薬剤師へ相談してくださいね。
まとめ|四物湯について正しく理解しよう
四物湯は、無理に体を刺激するのではなく、不足した血を補い、巡りを整えることで内側から健康を支える漢方薬です。「冷え症でつらい」「月経トラブルや肌の乾燥に悩んでいる」といった不調を改善するとされていて、健やかな体づくりをサポートしてくれます。
効果をしっかり感じるためには、胃が空の状態である食前や食間に、毎日コツコツと飲み続けるのがコツです。もし胃もたれや下痢など、お腹の調子に変化を感じたときは、無理をせず主治医や薬剤師に相談しましょう。
お薬の特徴を正しく理解し、専門家と相談しながら上手に体質改善に取り組んでいくことで是非症状の回復に繋げてみて下さいね。
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