「めまいやふらつきが続いて、毎日がすっきりしない」
「動悸や息切れが気になって、なんとなく不安を感じている」
「苓桂朮甘湯という漢方薬を処方されたけれど、本当に飲んで大丈夫かな」
このような不安を抱える方も多いのではないでしょうか。この記事では、苓桂朮甘湯(ツムラ39番)の特徴や期待できる効果、基本的な飲み方、副作用や注意点などをわかりやすく整理します。
この記事を読んだ方にお薬について知ってもらうことで、理解しながら最適な治療を選択するための一歩となれば幸いです。
苓桂朮甘湯とは

出典:ツムラ
苓桂朮甘湯は、めまいやふらつき、動悸といった症状を改善するために用いられる漢方薬です。
ツムラでは「39番」という番号が割り当てられています。体内の水分のバランスを整える働きがあり、尿の量が減って体に水分が溜まりやすい状態を改善してくれるのが特徴です。
神経質になっているときや、心が不安定に感じる時の不調をやわらげるためにも処方されることが多いお薬となっています。
苓桂朮甘湯に期待できる効果
苓桂朮甘湯に期待できる効果を紹介します。
めまい・ふらつき・頭痛の症状を和らげる
苓桂朮甘湯は、立ち上がったときのめまいや、ふわふわとするようなふらつきの改善によく使われます。漢方の考え方では、体内の水分の巡りが悪くなると、めまいや頭痛が起こりやすくなるとされています。
このお薬は、滞った水分の排出を促すことで、重たく感じる頭痛や不快なめまいをスッキリさせる効果が期待できるのが特徴です。天気が悪い日に頭が痛くなりやすい方や、ぐるぐると目が回るような感覚にお困りの方にも処方されることがあります。
つらい症状が少しずつ軽くなるよう、穏やかに作用します。
神経質やノイローゼなど心の不調を和らげる
身体の症状だけでなく、心の不調に対しても苓桂朮甘湯は効果を発揮します。ささいなことが気になってしまう神経質な状態や、不安感が強くて落ち着かないといったノイローゼの症状をやわらげるために用いられます。
心と身体は深く繋がっているため、体内の水分バランスが乱れることで自律神経にも影響が出ることがあるのです。お薬の力を借りて身体の調子を整えることで、張り詰めた気持ちがほぐれ、リラックスしやすくなります。
動悸(どうき)や息切れを落ち着かせる
突然胸がドキドキするような動悸や、少し動いただけで息苦しくなる息切れの症状を落ち着かせる働きもあります。これらの症状は、心臓や呼吸器の機能だけでなく、ストレスや水分の偏りが原因で起こることも少なくありません。
苓桂朮甘湯は、そのようなバランスの乱れを整え、負担を軽くするようサポートしてくれます。動悸や息切れがあると不安になりやすいですが、お薬を飲みながら少しずつ身体のリズムを取り戻していきましょう。
苓桂朮甘湯の基本的な飲み方
ここでは、苓桂朮甘湯の基本的な飲み方について詳しく解説します。
通常は1日2〜3回、食前または食間に服用する
苓桂朮甘湯は、通常1日2回から3回に分けて飲むように指示されることが多いです。飲むタイミングは「食前」または「食間」とされています。食前とは食事をする30分ほど前のことで、胃の中に何もない状態を指します。
また、食間とは食事と食事の間のことで、食後から約2時間経ったころが目安になります。胃の中に食べ物が入っていない空腹時の方が、漢方薬の成分がスムーズに身体へ吸収されやすくなるためです。
もし胃への負担が気になる場合は、医師に相談のうえで食後に飲むこともできるので安心してくださいね。
服用する用量は年齢や症状によって適宜調整される
お薬を飲む量は、一人ひとりの年齢や体重、症状の重さによって医師が細かく調整します。
特に、ご高齢の方や体力が落ちている方の場合は、身体への負担を減らすためにお薬の量を少なくすることがあります。自分にぴったりの量が処方されているため、家族や友人が同じお薬をもらっていたとしても、飲む量が違うケースは少なくありません。
早く治したいからといって多く飲んでしまうと副作用のリスクが高まるので、必ず指示された量を守りましょう。
飲み忘れた場合の対処法
もしお薬を飲み忘れてしまったときは、気がついたタイミングで1回分を飲むようにしてください。
ただし、次に飲む予定の時間がすでに近付いている場合は、忘れた分は飲まずに1回飛ばすのが正しい対処法です。その後は、本来のスケジュール通りに次の分を飲んでくださいね。忘れたからといって、2回分を一度にまとめて飲むことは決してしないでください。
お薬の成分が身体に効きすぎてしまい、思わぬ体調不良を引き起こす原因になります。飲み忘れが続いてしまうときは、飲む時間をアラームで設定するなどの工夫もおすすめです。
苓桂朮甘湯の副作用
苓桂朮甘湯の副作用として、以下が生じる場合があります。
| 生じる恐れがある副作用 | 症状の特徴 |
| 偽アルドステロン症 | 尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる |
| ミオパチー | 体がだるくて手足に力が入らない、手足がひきつる、手足がしびれる |
上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。
苓桂朮甘湯に関する注意点
苓桂朮甘湯を服用する際に知っておくべき注意点について詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
他の薬を使っている場合は必ず伝える
苓桂朮甘湯には「カンゾウ(甘草)」という生薬が含まれています。
ほかの漢方薬や風邪薬などにもカンゾウが含まれていることが多く、複数の薬を一緒に飲むと成分を過剰に摂取してしまう可能性があります。カンゾウを摂りすぎると、血圧が上がったり手足がむくんだりする副作用が出やすくなるため注意が必要です。
現在、病院で処方されている薬だけでなく、市販の薬やサプリメントを飲んでいる場合も、必ず事前に医師や薬剤師へ伝えてください。安全にお薬を続けるために、お薬手帳を活用して情報を共有することをおすすめします。
自己判断で飲む量を変えたり中止したりしない
「少し調子が良くなったから」と自分の判断でお薬の量を減らしたり、飲むのをやめたりするのは控えましょう。
漢方薬は身体のバランスをゆっくりと整えていくため、症状が軽くなっても、根本的な原因の改善にはもう少し時間が必要な場合があります。急にやめてしまうと、再び症状が悪化してしまうかもしれません。
また、逆に効果を早く感じたいからと多めに飲むのも副作用の危険が高まるのでやめてください。お薬の調整は必ず医師と相談しながら、身体のペースに合わせて進めていきましょう。
妊娠中や授乳中の場合は必ず医師に相談する
妊娠中の方や、妊娠している可能性がある方は、事前にお薬を飲んでも問題ないか医師に確認しましょう。お母さんの身体とお腹の赤ちゃんへの影響をしっかりと考慮したうえで、お薬を飲むメリットが大きいと判断された場合にのみ処方されます。
また、授乳中の方もお薬の成分が母乳に混ざる可能性があるため、注意が必要です。ご自身の身体と赤ちゃんの安全を第一に考えて治療を進めていきましょう。
症状が良くならないまま長期間飲み続けない
漢方薬は長く飲み続けることで効果が出るイメージがあるかもしれませんが、漫然と使い続けるのはあまりおすすめできません。
しばらく苓桂朮甘湯を飲んでみても、めまいや動悸といった症状に変化が見られない場合は、お薬がご自身の体質や今の状態に合っていない可能性があります。大体1ヶ月ほど服用しても改善の兆しがないときは、我慢せずに医師にその旨を伝えてください。
症状の経過を詳しくチェックしてもらい、必要であれば別の漢方薬や治療法に切り替えることも大切です。
むくみなどの体調の変化を感じたら早めに医師へ報告する
お薬を飲んでいる間に、顔や手足がむくむ、急に体重が増える、身体が重だるく感じるといった変化に気づいた場合は、早めに医師へ相談してください。これらは、先ほどお伝えした「カンゾウ」という成分による副作用のサインかもしれません。
ほかにも、手足のしびれや筋肉のひきつり、尿の量が減るといった症状が出た際も注意が必要です。いつもと違うなと感じる不調があれば、医師や看護師に相談しましょう。
苓桂朮甘湯の服用を避けるべき人の特徴
苓桂朮甘湯は多くの方に処方されるお薬ですが、服用には慎重な判断が必要な場合もあります。
たとえば、過去に苓桂朮甘湯やほかの漢方薬でアレルギー症状(発疹やかゆみなど)が出たことがある方は注意が必要です。また、ご高齢の方は生理機能が低下していることが多く、お薬の量を減らすなどの配慮が必要になります。
さらに、血清カリウム値が低い方や、血圧に問題がある方は、成分により症状が悪化する恐れがあるため気をつけなければなりません。ご自身の体質について不安がある場合は、無理に服用せず必ず医師に相談してください。
苓桂朮甘湯に関するよくある質問
苓桂朮甘湯を処方された患者様から寄せられることの多い、よくある質問に回答します。
苓桂朮甘湯は飲み始めてどれくらいで効果を感じますか?
漢方薬はゆっくり効くイメージがあるかもしれませんが、苓桂朮甘湯は比較的早く効果を感じる方もいらっしゃいます。めまいやふらつきといった症状の場合、早い方であれば数日から1週間ほどで少し楽になったと変化を実感することがあります。
しかし、効果の現れ方には個人の体質や症状の重さによって大きな差があるものです。数日飲んで効果がわからないからとすぐにやめてしまわず、まずは医師から指示された期間は飲み続けてみてください。
苓桂朮甘湯はどのような体質の人に向いていますか?
苓桂朮甘湯は、体力があまりなく、めまいやふらつき、動悸が起きやすいタイプの方によく処方されます。特に、体の中に余分な水が溜まっていて尿の量が少なくなっている方や、心の不調を感じている方に適しているとされています。
また、ささいなことで不安を感じやすい神経質な方にも向いているお薬です。ただし、ご自身で判断するのは難しいため、気になる症状があれば専門の医師に診てもらいましょう。
味が苦手で飲みにくいのですが、お湯に溶かしてもいいですか?
漢方薬独特の味やにおいが苦手で、そのまま飲むのがつらいという方も少なくありません。そのような場合は、顆粒のお薬を少量のお湯に溶かして、少し冷ましてから飲む方法を試してみてください。
お湯に溶かすことで香りがマイルドになり、お茶のような感覚で飲みやすくなることが多いです。どうしても飲みにくいときは、オブラートに包んで飲んだり、市販されているお薬用の服薬ゼリーを使ったりするのもおすすめです。
苓桂朮甘湯を長期間飲み続けても大丈夫ですか?
症状が改善して身体の調子が整ってきたら、少しずつお薬を減らしたり、飲むのをやめたりするのが一般的な流れです。長期間にわたって漫然と飲み続けると、成分の過剰摂取による副作用のリスクが高まることがあるため注意が必要です。
とくに、むくみや血圧の上昇には気をつける必要があります。数ヶ月単位で長く飲んでいる場合は、定期的に診察や血液検査を受けるなどして、身体に負担がかかっていないかをチェックしてもらうと安心できるでしょう。
まとめ|苓桂朮甘湯について正しく理解しよう
苓桂朮甘湯(ツムラ39番)は、体内の水分の巡りを整えることで、めまいやふらつき、動悸、そして神経質やノイローゼといった心の不調を和らげてくれる漢方薬です。
比較的安全性の高いお薬ですが、複数の漢方薬を組み合わせたり、ご自身の判断で飲む量を変えたりすると、思わぬ副作用が生じることもあります。体調に違和感があるときは、決して無理をせずに担当の医師や薬剤師に相談しましょう。
この記事を読んだ方に苓桂朮甘湯について知ってもらうことで、理解しながら最適な治療を選択するための一歩となれば幸いです。
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