リスペリドンは非定型抗精神病薬として用いられる薬ですが、「副作用は?」「体重が増えない?」「飲み続けて大丈夫?」と不安を感じる方もいます。起こりうる症状や注意点は、体質や併用薬、生活状況によって変わることがあり、効果の出方にも個人差があります。
この記事では、リスペリドンに期待できる効果と作用の仕方、基本の飲み方について解説します。他にも、飲み忘れ時の対処法や副作用、注意点を整理して紹介します。リスペリドンについて深く知りたい方は、ぜひ読んでみてくださいね。
リスペリドン(リスパダール)とは

出典:沢井製薬
リスペリドンは、抗精神病薬の一つで、脳内のドパミン※1 やセロトニン※2 の働きを調整することで、興奮や幻覚、妄想などの症状を和らげるお薬です。
※1 ドーパミン: 意欲や集中力を高める一方、過剰になると興奮・混乱を招く物質。
※2 セロトニン: 気分の安定や睡眠を司り、不足・乱れが心身の不調に直結する物質。
主に統合失調症の治療に用いられ、気持ちの高ぶりや考えのまとまりにくさを落ち着かせる目的で処方されます。
小児期の自閉スペクトラム症に伴う強いこだわりやいら立ちに使われることもあります。効果の感じ方には個人差があり、少しずつ変化を実感する場合もあるお薬です。
はなせる薬局 薬剤師なお、先発医薬品はリスパダールで、有効成分が同じジェネリック医薬品も複数あります。治療内容や体調に合わせて選択されます。
リスペリドン(リスパダール)に期待できる効果
リスペリドンに期待できる効果を、2つに分けてわかりやすく解説します。
統合失調症の症状の改善効果が期待できる
リスペリドンは、統合失調症の治療に使われるお薬で、幻覚や妄想が気になるときや、考えがまとまりにくい状態、強い不安や興奮が続くときに用いられます。気持ちの揺れが大きいときでも、少しずつ落ち着きを取り戻すことを目指して使われます。
脳内のドパミンやセロトニンの働きに関わることで、気持ちの高ぶりや緊張がやわらぎ、日常生活を送りやすくする作用があります。
効き方には個人差があるため、無理に結果を急がず、体調や気持ちの変化を伝えながら、医師と一緒に調整していくことが大切です。
小児期の自閉スペクトラム症に伴ういらいら・かんしゃくを和らげる
リスペリドンは、小児期の自閉スペクトラム症に使われることがあり、イライラやかんしゃく、攻撃的になりやすい状態を軽くする目的で処方されます。
原則として5歳以上18歳未満が対象で、体重に応じて少量から始め、様子を見ながら調整する形で利用されます。
リスペリドン(リスパダール)の基本的な飲み方
ここでは、リスペリドンの基本的な飲み方を紹介します。服用する頻度やタイミング、飲み忘れた際の対処法を解説するので、ぜひ参考にしてください。
基本は1日2回に分けて服用する
リスペリドンは、1日の量を朝と夕方など2回に分けて飲むのが基本的な飲み方です。毎日同じ時間にそろえると、効き方が安定しやすく、飲み忘れにも気づきやすくなります。体調がゆらぎやすい時期ほど、生活リズムに合わせて続けやすい形を作ることが大切です。
はなせる薬局 薬剤師飲み方は病状や年齢などで変わるため、指示された回数や量を守り、自己判断で増減しないようにしましょう。
開始は少量から、症状に応じて調整する
リスペリドンは、最初から多い量で始めるのではなく、少量から始めて様子を見ながら調整します。
統合失調症の成人では、通常は1回1mgを1日2回から開始し、徐々に増量していきます。維持量は通常1日2〜6mgを2回に分け、1日量は12mgを超えないとされています。
小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性では体重により開始量や上限が細かく決まるため、医師の指示どおりに進めることが安心です。
リスペリドンを飲み忘れた際の対処法
飲み忘れに気づいたときは、まず次の服用時間までどれくらいあるかを確認してください。まだ時間があるなら、気づいた時点で1回分を飲める場合がありますが、次の時間が近いときは1回飛ばして、次からいつもどおりに戻すほうが安全なこともあります。
まとめて2回分を飲んで埋め合わせるのは避けましょう。飲み忘れが続く場合は、無理に頑張らず、飲む時間の工夫や薬の調整も含めて医師や薬剤師に相談すると安心です。
リスペリドン(リスパダール)の副作用【眠気・便秘・吐き気など】
リスペリドンは、以下のような副作用が確認されています。
| 生じる恐れがある副作用 | 症状の特徴 |
| 眠気 | 眠気が強く出て、ぼんやりしたり注意力が落ちたりすることがある |
| アカシジア・体が震える・筋肉のこわばり | じっとしていられない、落ち着かない、手が震える、体がこわばるなどが起こることがある |
| 便秘・よだれ | 便が出にくい、よだれが増えるなどがみられることがある |
| 吐き気・嘔吐などの胃腸症状 | 吐き気や嘔吐、胃のむかつきなどが出ることがある |
| 不眠症・不安 | 眠りにくさや落ち着かなさが出ることがある |
はなせる薬局 薬剤師気になる症状が現れた場合は、診察時に必ず医師に相談してくださいね。
リスペリドン(リスパダール)に関する注意点
ここでは、リスペリドンに関する注意点について詳しく解説します。しっかりと理解しておきましょう。
高血糖・糖尿病の悪化・低血糖に注意する
リスペリドンの服用中は、血糖値が上がったり、糖尿病が悪化したりすることがあり、まれに糖尿病性ケトアシドーシスや昏睡につながる可能性があります。口が渇く、水をたくさん飲む、尿が近いなどの変化があれば早めに相談しましょう。
反対に、脱力感や冷や汗、手のふるえ、強い眠気など低血糖のサインが出ることもあるため注意が必要です。糖尿病の方やリスクがある方は、血糖測定などを含めて医師と一緒に確認していくと安心です。
投与初期や増量時は体調変化に注意する
飲み始めの時期や、いったん中断して再開するときや量を増やすタイミングでは、体が薬に慣れていないため変化が出ることがあります。特に立ち上がったときにふらっとする起立性低血圧が起こる場合があるので、少ない量から始めてゆっくり調整します。
めまい、ふらつき、立ちくらみが続くときは無理をせず、早めに医師へ伝えてください。受診時に症状を具体的に伝えるほど、量の調整もしやすくなります。
眠気や注意力低下が出ることがあるため運転などは避ける
リスペリドンでは、眠気が出たり、注意力や集中力が落ちたりすることがあります。そのため、服用中は自動車の運転や、高い所での作業、危険を伴う機械の操作は控えるよう注意が必要です。
はなせる薬局 薬剤師眠気やぼんやり感が少しでもある日は、予定を詰めすぎず、移動や作業のしかたを見直すと安全です。
アルコールやほかの薬との飲み合わせに気を付ける
リスペリドンは、ほかの薬と一緒に飲むことで作用が強まったり弱まったりすることがあります。特に、睡眠薬など中枢神経※を鎮める薬と併用すると、眠気やふらつきが強く出る可能性があるため、必要に応じて減量など慎重な調整が行われます。
また、お酒も同じく中枢神経を抑える作用があり、薬の影響が増えることがあります。市販薬やサプリも含め、飲んでいるものは受診時にまとめて伝えるようにしましょう。
※中枢神経:脳や脊髄のことで、体の動きや感覚、意識などをコントロールする重要な部分
リスペリドン(リスパダール)の服用を避けるべき人の特徴
リスペリドンは、体の状態や併用しているお薬によっては服用できない場合や、特に慎重な判断が必要な場合があります。服用前に当てはまる点がないかを確認しておきましょう。
【禁忌(服用してはいけない方)】
・昏睡状態にある方
・バルビツール酸誘導体など、中枢神経を強く抑える薬の影響が強く出ている方
・アドレナリンを投与中の方(緊急時などを除く)
・リスペリドンまたはパリペリドンの成分で、過去にアレルギー反応を起こしたことがある方
【服用を避けるべき方・慎重に検討が必要な方】
・糖尿病がある方、または血糖が上がりやすい体質の方
・心臓や血管の病気がある方、低血圧や不整脈を指摘されたことがある方
・てんかんなど、けいれんを起こす病気がある方、または既往がある方
・気分の落ち込みが強い方や、自殺念慮がある方
・パーキンソン病やレビー小体型認知症がある方
・脱水や栄養不足がある方、体力が落ちている方
・腎機能や肝機能に障害がある方、高齢の方
・妊娠中、妊娠の可能性がある方、授乳中の方
・小児の方(使用できる年齢や条件があるため確認が必要です)
はなせる薬局 薬剤師もし上記のいずれかに当てはまる可能性がある場合は、自己判断で服用を始めたり中止したりせず、必ず医師または薬剤師に相談してください。
リスペリドン(リスパダール)に関するよくある質問
リスペリドンに関するよくある質問に回答します。患者様から寄せられることの多い質問を選んだため、ぜひ参考にしてくださいね。
リスペリドンは服用開始後どれくらいで効果を感じられますか?
リスペリドンは、飲み始めてすぐに大きく変わるというよりも、数日から数週間かけて少しずつ変化を感じることが多いお薬です。
眠りや落ち着きやすさなどは早めに実感する方もいますが、幻覚や妄想、考えがまとまりにくい状態などは時間をかけて整っていく場合があります。
効き方には個人差があるため、焦って自己判断で量を増やさず、つらさの変化や副作用の有無を受診時に具体的に伝えると調整しやすいです。
リスペリドンはどのくらいの期間飲み続けますか?
リスペリドンを飲み続ける期間は、症状の種類や落ち着いている状態がどれくらい続いているか、再発の心配がどの程度あるかなどによって変わります。
例えば、統合失調症では、調子が安定してからも、再びつらくならないように一定期間続けることが多いです。いつまで飲むかは、その時々の様子を見ながら決めていきます。
調子が良くなったからといって急にやめると、体や気持ちのバランスが崩れることがあります。
はなせる薬局 薬剤師不安があったり、今後のことが気になったりするときは、遠慮せず医師に相談しておくと安心です。
リスペリドンとオランザピンの違いは何ですか?
どちらも非定型抗精神病薬で、脳内のドパミンやセロトニンの働きに関わり、幻覚や妄想、興奮などを和らげる目的で使われます。一方で、合う合わないや副作用の出方に違いが出やすい点が大きな違いです。
一般にオランザピンは眠気や体重増加、血糖など代謝面の変化が問題になることがあり、リスペリドンは眠気に加えて高血糖や低血糖への注意、また人によってはプロラクチン関連の症状※が出ることがあります。
どちらが合うかは症状や体質によって異なるため、効果と副作用のバランスを見ながら医師と相談して選ぶことが大切です。
※プロラクチン関連の症状:月経異常・乳汁分泌・不妊・性機能不全など
リスペリドンとリスパダールの違いは何ですか?
リスペリドンとリスパダールは、有効成分としては同じ薬です。一般に、リスパダールは先発品、リスペリドンは後発品を指すことが多く、名前や添加物、見た目などが異なる場合があります。
一方で、基本となる作用は同じと考えられています。切り替えが不安なときは、遠慮せず医師や薬剤師に相談して大丈夫です。
リスペリドンを飲むと太ることはありますか?
リスペリドンでは、体重増加がみられることがあります。実際に、副作用の項目には体重増加が記載されており、反対に体重減少がみられる場合もあります。
そのため、必ず太るとは言えませんが、体重の変化には気をつけておきたい薬です。食欲の変化や体型の変化が気になっても、自分を責める必要はありません。
はなせる薬局 薬剤師つらさを抱え込まず、早めに医師や薬剤師へ伝えることで、無理のない対応を考えやすくなります。
リスペリドンは朝と夜のどちらに飲むことが多いですか?
リスペリドンは、統合失調症では通常1日2回に分けて始める薬です。そのため、朝と夜に分けて飲む形が一つの基本になります。
ただし、実際の飲む時間は症状や体調に合わせて調整されます。眠気や注意力の低下が出ることもあるので、生活リズムとの相性をみながら決めることが大切です。今の時間帯で負担を感じるなら、がまんせず相談してくださいね。
リスペリドンは服用開始後どれくらいで効果を感じられますか?
リスペリドンは、飲んですぐに状態が大きく変わる薬ではなく、少しずつ様子を見ながら使うことが多いです。飲み始めは少量から開始し、必要に応じて徐々に増やしていく方法が基本とされています。
そのため、効果の感じ方や時期には個人差があります。数日で判断して不安になることもあると思いますが、焦らなくて大丈夫です。変化が分かりにくいときこそ、診察でそのまま伝えることが安心につながります。
リスペリドンには依存性がありますか?
リスペリドンは、いわゆる依存を目的に使う薬ではありません。ただし、副作用の項目には薬剤離脱症候群の記載があり、急な中止や自己判断での変更は避けたほうがよい薬です。
続けることに不安を感じるときや、やめたい気持ちが強いときも、ひとりで結論を出さなくて大丈夫です。
はなせる薬局 薬剤師医師と相談しながら進めることで、体調の変化に気を配りつつ、より負担の少ない形を考えやすくなります。
まとめ|リスペリドン(リスパダール)について正しく理解しよう
リスペリドンは、脳内のドパミンやセロトニンの働きを調整し、幻覚や妄想、興奮などを和らげる目的で使われる抗精神病薬です。主に統合失調症の治療に用いられ、製剤によっては小児期の自閉スペクトラム症に伴ういらいらにも使用されます。
人によっては副作用が出る場合もあるため、気になる症状があるときは自己判断せず、医師に相談しながら治療を進めましょう。本記事の内容が、つらい症状を和らげる一助となれば幸いです。
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