「気分の落ち込みが続いてつらい…」
「ラツーダ錠はどんな薬で、どんな効果があるの?」
こうした不安や疑問を抱えている方に向けて、本記事ではラツーダ錠(ルラシドン)の特徴や期待できる作用をわかりやすく解説します。ラツーダの作用の仕組みや基本的な飲み方、副作用・注意点など、服用前に知っておきたいポイントを丁寧にまとめました。
治療を前向きに進めたい方や、薬についての理解を深めたい方は、ぜひ参考にしてください。
お薬の不安は薬局や薬剤師へのご相談もおすすめです。
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ラツーダ錠とは
ラツーダ錠は、有効成分ルラシドン塩酸塩を含む第二世代(非定型)抗精神病薬です。主に統合失調症や、双極性障害に伴ううつ状態の治療に用いられます。
脳内のドーパミンD2受容体やセロトニン5-HT2A受容体などに作用し、ドーパミンの働きを適度に抑えることで、幻覚や妄想、興奮といった症状を和らげるのが特徴です。
従来の抗精神病薬と比べて、手のふるえや筋肉のこわばりなどの錐体外路症状や、体重増加、糖脂質代謝への影響が比較的少ない薬とされており、バランスを見ながら長期的な治療に使われることが多い薬です。
ラツーダ錠に期待できる効果
ここでは、ラツーダ錠に期待できる効果を4つ紹介します。
幻聴・妄想などの陽性症状の改善が期待できる
ラツーダ錠は、統合失調症でみられる幻聴や妄想などの陽性症状を和らげる目的で使われる薬です。
脳内のドーパミンやセロトニンの働きのバランスを整えることで、「聞こえないはずの声が聞こえる」「ありえないことを強く信じてしまう」といった現実との区別のしづらさを改善することが期待できます。
症状が落ち着いてくると、周囲との会話や仕事・学業への参加がしやすくなり、トラブルやストレスの軽減にもつながります。
はなせる薬局 薬剤師意欲低下・感情の乏しさなどの陰性症状の改善に役立つ
ラツーダ錠は、やる気が出ない・喜怒哀楽が乏しいといった、陰性症状の改善を目指して用いられる薬です。
脳内のドーパミンやセロトニンの働きを調整することで、気持ちの動きや思考のスピードが少しずつ整い、活動量の回復に役立つことが期待できます。
双極性障害の抑うつ症状を和らげる
ラツーダ錠は、双極性障害に伴う気分の落ち込み、興味や意欲の低下などの抑うつ症状の治療薬として用いられます。
気分の落ち込みや自己否定感を和らげ、日常生活への関心や「やってみよう」という気持ちが少しずつ戻ることを目指す薬です。
また、気分の波をできるだけ小さく保つことで、再発のリスクを下げ、長期的な気分の安定につなげることも期待されます。
不安感や落ち着かなさを軽減する
ラツーダ錠は、統合失調症や双極性障害に伴う症状の中でも、そわそわして落ち着かない、不安で集中しづらいといった状態の軽減に役立つことが期待される薬です。
脳内の神経伝達物質のバランスを整えることで、気持ちが高ぶりやすいときのイライラや焦りをおさえ、以前よりも冷静さを保ちやすくなる場合があります。
不安感がやわらぐことで、人によっては入眠しやすくなったり、日中の過ごしやすさが少しずつ改善したりすることもあります。
ラツーダ錠の基本的な飲み方
ラツーダ錠の基本的な飲み方について詳しく解説します。服用する頻度やタイミング、飲み忘れた際の対処法を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
1日1回、食後に服用することが多い
ラツーダ錠は、通常1日1回の服用が基本で、医師に指示されたタイミングで続けることが大切です。空腹時に飲むと吸収が下がるため、必ず食後に服用するようにします。
目安としては、350kcal程度の食事をとった後に飲むことで、薬が体内に吸収されやすくなり、血中濃度も安定しやすいとされています。
また、飲む時間帯を日ごとに変えるのではなく、朝食後や夕食後など、自分の生活リズムに合わせて毎日ほぼ同じ時間に服用することで、効果がより安定しやすくなります。
飲み忘れた場合の対応方法
ラツーダ錠を飲み忘れたことに気づいた場合は、まず慌てずに状況を確認しましょう。気づいた時点で次の服用時間までまだ十分な間隔がある場合は、そのタイミングで1回分を服用してかまいません。
一方で、次の服用時間が近い場合は、飲み忘れた分は無理に飲まず、1回分を飛ばして通常のスケジュールに戻すことがすすめられます。
2回分をまとめて服用することは、副作用のリスクが高まるおそれがあるため避けてください。



ラツーダ錠の副作用
ラツーダ錠の副作用は、以下の表のとおりです。
| 生じる恐れがある副作用 | 症状の特徴 |
| アカシジア(落ち着かなさ) | 足がムズムズする・じっと座っていられないなどのそわそわ感 |
| 眠気 | 日中の強い眠気やだるさでボーッとしやすくなる |
| 吐き気・嘔吐 | むかつきや気分の悪さ、実際に吐いてしまうことがある |
| 頭痛 | 頭が重い・ズキズキするなどの頭痛が続く |
| 不眠 | 寝つきが悪い、夜中や早朝に目が覚めてしまう |
| 錐体外路症状(手足のふるえなど) | 手のふるえ、筋肉のこわばり、動かしにくさ など |
ラツーダ錠では、落ち着かない感じや眠気、吐き気などが比較的みられやすい副作用です。多くは軽度ですが、つらい症状が続く場合や急に悪化した場合は、早めに医師へ相談することが大切です。
ラツーダ錠に関する注意点
ラツーダ錠を服用する際には、押さえるべき注意点があります。
眠気・めまいが出ることがあるため行動に注意する
ラツーダ錠を服用すると、人によっては強い眠気やめまい、ふらつきが出ることがあります。
注意力や判断力、集中力が落ちる場合もあるため、飲み始めや用量を変えた直後は、体の反応をよく確かめることが大切です。特に、車の運転や自転車の運転、高所での作業、機械の操作などは、薬の影響がないと確認できるまでは控えましょう。
アルコールとの併用は控える
ラツーダ錠服用中のアルコール摂取は、できるだけ控えることが重要です。アルコールには中枢神経を抑える作用があり、ラツーダ錠による眠気やふらつき、判断力低下などの副作用を強めるおそれがあります。
その結果、転倒や事故、思わぬトラブルにつながる危険性も高まります。また、気分の安定や睡眠リズムにも悪影響を与え、治療の妨げになる可能性があります。
他の薬との相互作用に注意する
ラツーダ錠は、他の薬との相互作用に注意が必要な薬です。特に、ほかの向精神薬や睡眠薬、抗てんかん薬などと一緒に使うと、眠気やふらつきが強く出たり、副作用のリスクが高まることがあります。
また、一部の抗菌薬や抗真菌薬、てんかんの薬などは、ラツーダ錠の血中濃度を変化させ、効き過ぎや効きにくさにつながるおそれがあります。
市販薬や漢方薬、サプリメントでも相互作用が起こる場合があるため、新しく飲み始める際や処方薬が追加になった際は、必ずラツーダ錠を服用中であることを主治医や薬剤師に伝えましょう。
妊娠・授乳中の場合は必ず医師に相談する
ラツーダ錠を妊娠中・授乳中に使用する場合は、必ず医師とよく相談することが重要です。妊娠中や授乳中での安全性については、十分なデータがそろっているとはいえず、服用を続けるかは母体の症状と赤ちゃんへの影響を慎重に比べながら判断します。
妊娠を希望している場合や、妊娠の可能性に気づいた場合でも、自己判断で急に服用をやめると症状が悪化するおそれがあります。まずはできるだけ早く主治医に相談し、治療方針を一緒に考えてもらいましょう。
授乳中も同様に、母乳への移行や赤ちゃんの様子を踏まえながら、継続の可否を医師と話し合うことが大切です。
体調の変化は早めに医師へ報告することが大切
ラツーダ錠を服用している間は、体調の変化をそのままにせず、早めに医師へ伝えることが大切です。強い眠気や激しい不安・焦燥感、手足のふるえ、発熱など、いつもと違う症状が出てきた場合は、次の受診を待たず相談しましょう。
人によっては、体重の増減や食欲の変化、血糖値の異常などがみられることもあるため、指示された通りに定期受診や血液検査を続けることも重要です。我慢してしまうと危険な副作用を見逃すおそれがあります。



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ラツーダ錠を服用できない方
ラツーダ錠を服用できない方の特徴は以下の通りです。
【禁忌(服用してはいけない方)】
- 過去にラツーダ錠(ルラシドン)でアレルギー症状を起こしたことがある方
- ラツーダ錠の成分に対して過敏症のある方
【医師の判断で注意が必要な方】
- 重い腎機能障害または肝機能障害のある方
- 心疾患のある方
- てんかん発作の既往がある方
- 高齢者でふらつきや転倒リスクが高い方
- 糖尿病、血糖調節に問題がある方
- パーキンソン病など、運動症状に影響する疾患を持つ方
- 妊娠中・授乳中、または妊娠を希望している方
- 他の向精神薬、抗菌薬、抗てんかん薬など相互作用の可能性がある薬を使用している方
- アルコール依存症など、中枢神経に影響する状態がある方
上記に該当する場合は、必ず医師に申告しましょう。
ラツーダ錠に関するよくある質問
ここでは、ラツーダ錠に関するよくある質問に回答します。疑問や不安を抱えている方は、安心して服用できるように目を通しておきましょう。
ラツーダ錠を飲むと太るって本当?
抗精神病薬の中には、食欲の増加や代謝の変化によって体重が増えやすい薬もありますが、ラツーダ錠(ルラシドン)はその中では体重増加が比較的少ない薬とされています。
ただし、まったく体重が増えないわけではなく、人によっては食欲が出たり、少しずつ体重が増えることもあります。
服用中は、体重やウエスト周りの変化、血糖値や脂質などを定期的な診察の際に確認してもらうと安心です。
ラツーダ錠に依存するリスクはありますか?
ラツーダ錠は、いわゆる睡眠薬や抗不安薬のような依存性医薬品、乱用されやすい薬には分類されておらず、動物実験や臨床経験からも身体的な薬物依存のリスクは低いと考えられています。
ただし、症状を抑える役割があるため、急に中止すると症状のぶり返しや体調の変化が起こり、「やめると調子が悪くなるから手放せない」と感じてしまうことがあります。
こうした状態を防ぐためにも、自己判断で増量・減量・中止を行わず、調子の変化や不安があるときは必ず主治医に相談し、適切なペースで調整してもらうことが大切です。
ラツーダ錠は突然死につながる?
ラツーダ錠に限らず、抗精神病薬全般では、心電図のQT延長などを介した致死性不整脈がごくまれに報告されています。ラツーダ錠も同様に、心臓病や不整脈のある人では慎重な使用が必要とされます。
しかし、適切な用量と医師の管理のもとで服用している場合、突然死は極めてまれであり、多くの人に起こるものではありません。



ラツーダ錠のジェネリック医薬品はありますか?
日本国内では現時点でラツーダ錠のジェネリックは収載されておらず、すべて先発品として処方されています。したがって、薬代を抑えたい場合でも、国内では薬そのものをジェネリックに切り替えることはできません。
ラツーダ錠とエビリファイの違いは何ですか?
ラツーダ錠とエビリファイはいずれも非定型抗精神病薬で、統合失調症や双極性障害の治療に用いられますが、作用の仕組みには違いがあります。
ラツーダ錠は主にドーパミン受容体やセロトニン受容体をブロックする拮抗薬です。一方で、エビリファイはドーパミン受容体に部分作動薬として働き、過剰な働きを抑えつつ不足している部分を補うような調整作用を持つとされています。
症状のタイプ、これまでの治療歴、併用薬や体質などを総合的に考えたうえで、どちらが合っているかは主治医が判断します。
まとめ|ラツーダ錠がどんな薬か理解しよう
ラツーダ錠は、統合失調症や双極性障害のうつ状態に用いられる薬で、幻聴や妄想だけでなく、意欲低下や気分の落ち込みなど幅広い症状の改善が期待されます。
1日1回食後に服用することが多く、用量は症状や体質に合わせて医師が調整します。眠気や落ち着かなさ、吐き気などの副作用が出ることがあるため、体調の変化は早めに伝えることが大切です。
心臓病や重い肝腎障害がある方などは使用に注意が必要なので、自己判断で増減せず、疑問や不安は主治医や薬剤師と相談しながら、安心して治療を続けていきましょう。ぜひ、本記事の内容を参考にしながら、ラツーダ錠について相談してみてください。
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