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【薬剤師監修】タンドスピロンクエン酸塩錠とはどんな薬?期待できる効果や副作用を解説

「不安や緊張が続いて生活に支障を感じる…」
「寝つきが悪くて疲れが取れない…」

このように悩んでいる人に向けて、タンドスピロンクエン酸塩錠の特徴や期待できる効果について詳しく解説します。基本的な飲み方や副作用・注意点など、タンドスピロンクエン酸塩錠を使う前に知っておくべきことを分かりやすくまとめています。

日常の不安や睡眠トラブルに悩んでいる方、処方で使われる薬の特徴について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

お薬の不安は薬局や薬剤師へのご相談もおすすめです。
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監修者
木下 将吾のプロフィール写真

話せるメディカル株式会社 代表取締役|薬剤師

木下 将吾

6年制薬学部を卒業後、日本イーライリリー株式会社にて糖尿病・成長ホルモン領域のMRとして2年間従事。基礎インスリンから経口血糖降下薬まで幅広い製剤を担当し、多くの専門医とともに糖尿病治療を通じた患者貢献のあり方を検討。現在は、はなせる薬局の管理薬剤師・開設者として、医療機関連携を通じて患者さんへの貢献の幅を広げるべく活動している。

目次

タンドスピロンクエン酸塩錠とは

タンドスピロンクエン酸塩錠は、脳の神経伝達に関わる受容体に作用し、主に不安や緊張をやわらげる目的で処方される薬です

タンドスピロンクエン酸塩錠自体は後発薬(ジェネリック医薬品)で先発薬はセディール錠になります。即効性が強い薬とは異なり、継続して服用することで徐々に症状が改善していく性質があるとされています。

ベンゾジアゼピン系と比べ依存性が比較的少ない点が特徴で、日常生活を妨げる不安や緊張、ストレスによる心身の不調が続く場合に用いられます。

タンドスピロンクエン酸塩錠に期待できる効果

タンドスピロンクエン酸塩錠に期待できる効果を5つ解説します。

神経症における抑うつ、恐怖の改善

タンドスピロンクエン酸塩錠は、神経症にともなう気分の落ち込みや強い不安、恐怖感を少しずつ和らげる効果が期待されています

不安でソワソワして落ち着かない状態や、緊張が続いて日常生活に支障が出ている状況を軽くすることが見込まれます。

はなせる薬局 薬剤師

急に強く効くタイプのお薬ではありませんが、継続して飲むことで、感情の波が穏やかになりやすく、過度な心配を抱えにくい状態へ導いてくれるでしょう。

心身症における抑うつ・焦燥・不安の軽減

ストレスが大きく影響する心身症では、病気そのものへの不安や、先々を心配して気持ちが落ち着かない状態が続くことがあります。

タンドスピロンクエン酸塩錠は、こうした精神的な不安や焦燥感を和らげ、心の負担を軽くすることが期待される薬です

症状が長引くと体にも影響が及びやすいため、心と体の両面にストレスがかかっている状況で、精神面を支える目的で処方されることがあります。

自律神経の乱れによる心身の不調の改善

タンドスピロンクエン酸塩は、自律神経の乱れが原因で起きる動悸や息苦しさ、だるさなどの不調に対し、心身の緊張を下げることで症状を軽くすることが期待されています

「なんとなく不調」、「緊張しやすい」と感じる場合にも、「幸せホルモン」とも呼ばれる「セロトニン」の働きをよくすることで徐々に落ち着けていく効果が見込まれます。

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ただし体調の変化は個人差が大きいため、総合的な診療が重要です。

心身症における睡眠障害の緩和

タンドスピロンクエン酸塩は、不安や緊張で寝つきが悪い、夜中に目が覚めるといった睡眠トラブルを改善するとされています

心身の緊張を落ち着けることで、眠りに入りやすくなることが期待できます。

強い眠気を出して無理に眠らせるのではなく、不安を和らげることで結果的に睡眠の質が改善しやすいに近づける目的で使用されることが多いお薬です。

タンドスピロンクエン酸塩錠の基本的な飲み方

ここでは、タンドスピロンクエン酸塩錠の基本的な飲み方を紹介します。

1日3回(朝・昼・夕)で処方されることが多い

タンドスピロンクエン酸塩は、一般的に、1回10mgを1日3回に分けて服用するケースが多いです。症状や年齢などに応じて、医師が用量を調整することもあります。

効果を安定させるためには、自己判断で間隔を変えたり中断したりするのではなく、指示通りの回数の服用を継続するように心がけましょう。

飲み忘れた場合の対処法

タンドスピロンクエン酸塩錠は、飲み忘れに気づいた時点で、すぐ1回分を服用して問題ないとされています

ただし、次の服用時間が近い場合は、無理に飲まずに1回分を飛ばすのが基本です。2回分をまとめて飲むことは、過剰摂取となり、副作用のリスクを高める可能性があるため、避けましょう。

自己判断で増量せず、服薬ルールや疑問は処方医や薬剤師に確認することが大切です。

はなせる薬局 薬剤師

飲み忘れが多い時期が続く場合は、生活リズムの調整や服薬の工夫について医師に相談することで、無理なく続けられる方法が見つかることがあります。

タンドスピロンクエン酸塩錠の副作用

タンドスピロンクエン酸塩錠の副作用は、以下の表のとおりです。

生じる恐れがある副作用症状の特徴
肝機能障害、黄疸全身の強いだるさ、食欲不振、尿が濃くなる、皮膚や白目の部分が黄色くなるなど
セロトニン症候群興奮作用、手足のふるえ、発熱、発汗作用など
悪性症候群急な高熱、意識がぼんやりする、全身の筋肉が非常に硬くなる、脈が速くなるなど

気になる症状が出た場合は、すぐに医師に相談し、服用を続けるか判断して貰いましょう。

タンドスピロンクエン酸塩錠に関する注意点

ここでは、タンドスピロンクエン酸塩錠に関する注意点について解説します。

眠気やめまいが発生する可能性があること

タンドスピロンクエン酸塩錠は、中枢神経に作用する薬のため、眠気やめまい、ふらつきが生じることがあります。これらの症状が出る可能性があるため、服用中は、自動車の運転等危険を伴う機械の操作などの行動を控えましょう。

強い眠気や立ちくらみが続く場合は、無理をせず医師や薬剤師に相談してみてください。用量の調整や他の対処法を検討してもらうことができます。

飲み合わせに注意が必要な薬がある

タンドスピロンクエン酸塩錠は、他の抗不安薬や睡眠薬、抗うつ薬などと一緒に飲むと、眠気やふらつきが強く出ることがあります。市販薬やサプリメントも含め、使用しているものは事前に医師へ伝えておきましょう。

特に以下の医薬品との併用は注意するようにしましょう。

・プチロフェノン系薬剤(ハロペリドール等):併用により錐体外路症状(ふるえ・筋肉のこわばりなど)を増強する可能性がある。
・セロトニン再取り込み阻害作用を有する薬剤(フルボキサミン、パロキセチン等):併用でセロトニン症候群があらわれる可能性がある。
・カルシウム拮抗剤(ニカルジピン等):併用で降圧作用を増強する可能性がある。

はなせる薬局 薬剤師

新しい薬を始める際には、必ず医師または薬剤師に飲み合わせの確認をすると安心です。

効果の実感までに時間がかかる場合がある

タンドスピロンクエン酸塩錠は、即効性が高い薬ではありません。多くの場合、1〜2週間ほどかけて少しずつ効果を感じ始めるとされています

効き方やスピードには個人差があるため、焦らず様子を見ながら継続して飲むことが大切です。

効果が弱いと感じても、自己判断で増量したり中止したりするのは避けた方が良いでしょう。気になる変化があれば医師と相談しながら調整することをおすすめします。

突然の中止は避けて医師の指示に従うべき

タンドスピロンクエン酸塩錠は、服用を急にやめると、不安や緊張がぶり返しやすくなる場合があります。症状が落ち着いてきた場合でも、中止や減量は医師の計画に沿って段階的に行うことが大切です

体調の変化で薬を飲みにくくなったときや、違和感を覚えるときも、すぐに服用を中止するのではなく、まずは受診や相談を優先すると安心です。

妊娠・授乳中の方は必ず医師に申告する

タンドスピロンクエン酸塩錠を妊娠中または授乳中に服用する場合は、以下の点に注意が必要です。

妊娠されている方

治療上の薬を飲むことのメリットが、胎児への影響などの危険性を上回ると判断される場合にのみ服用が検討されます

妊娠している、または妊娠の可能性がある場合は、必ず医師にご申告・ご相談するようにしましょう。

授乳中の方

授乳を続けるか、薬の服用を優先して授乳を中止するかどうかは、医師とよく相談して決める必要がある医薬品になります。

お薬の不安は薬局や薬剤師へのご相談もおすすめです。
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タンドスピロンクエン酸塩錠を服用できない方

タンドスピロンに対して過去にアレルギー(過敏症)を起こしたことがある方は服用することができません。

また、以下に該当する方も、セルトラリン錠の服用を避けたり、慎重に服用した方が良い場合があります

・肝臓や腎臓の機能に障害がある方
・高齢の方(薬の作用が強く出すぎないよう、低用量から開始するなど)
・妊娠中、または妊娠の可能性がある方、授乳中の方
・脳に器質的な障害がある方
・中等度~重篤な呼吸不全、または心障害がある方
・他の抗不安薬、睡眠薬、抗うつ薬など、中枢神経に作用する薬を併用している方
・脱水や栄養不良などで身体的に疲弊している方(悪性症候群のリスクがあるため)

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上記に該当する方は医師に申告して、タンドスピロンクエン酸塩錠を服用して問題ないか確認しましょう。

タンドスピロンクエン酸塩錠に関するよくある質問

ここでは、タンドスピロンクエン酸塩錠に関するよくある質問に回答します。疑問や不安がある方は、解消してから服用しましょう。

タンドスピロンクエン酸塩錠は飲んですぐに効果が出ますか?

タンドスピロンクエン酸塩錠は、飲んですぐに強い効果が出るタイプの薬ではありません。多くの場合、1〜2週間ほどかけて不安や緊張が少しずつ和らいでいくとされています

効き方や効果が出るスピードには個人差があるため、数週間単位で様子を見つつ、医師と相談しながら調整することが大切です。

急激な変化を求めるよりも、時間をかけて気持ちが落ち着いていく過程を見守る薬と考えると安心感を持てるかもしれません。

タンドスピロンクエン酸塩錠はどのくらいの期間飲み続けますか?

タンドスピロンクエン酸塩錠の服用期間は、不安の程度や日常生活への影響、改善の進み具合によって大きく変わります。症状の経過によっては、数か月からそれ以上服用が続くことも珍しくありません。

途中で調子がよい日が続く場合は、医師が量を調整したり減薬のタイミングを判断したりします。

はなせる薬局 薬剤師

自己判断で急に中止すると不安が強く戻ることがあるため、継続や中止は必ず医師と相談して決めることが重要です。

タンドスピロンクエン酸塩錠に依存するリスクはありますか?

タンドスピロンクエン酸塩錠は、ベンゾジアゼピン系などの一般的な抗不安薬に比べると、依存リスクが低いとされています

しかし、不安がぶり返すことへの不安から、「服用をやめられない」という気持ちが強まる方もいるようです。

離脱症状が起こりにくいタイプのお薬ですが、服薬について不安があれば自己判断せず医師に相談することが大切です。不安の波の強さや生活状況に合わせて、安全に使えるよう調整してもらいましょう。

タンドスピロンクエン酸塩錠を飲むと太りますか?

タンドスピロンクエン酸塩錠自体は、直接「体を太りやすくする」といわれている薬ではありません。ただし、不安が軽くなって食欲が戻ることで結果的に体重が増える方もいます。

体重の変化が気になる場合は、食事の工夫や無理のない運動を取り入れながら、医師に相談すると安心です。薬の影響なのか、体調の変化なのか、を一緒に確認してもらうことで、不安を減らしながら治療を進められます。

タンドスピロンクエン酸塩錠のジェネリック医薬品はありますか?

タンドスピロンクエン酸塩錠には、「サワイ」など複数のジェネリック医薬品があります。ジェネリックは有効成分が同じで、基本的な効果や安全性も先発品と同等とされています。

添加物や錠剤の大きさ、味の感じ方が製品によりわずかに異なることはありますが、治療に重要な効き目の部分は同じと考えられています。

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薬の選択に迷う場合は、費用や服用しやすさなども含めて医師や薬剤師に相談すると安心です。

まとめ|タンドスピロンクエン酸塩錠がどんな薬か理解しよう

タンドスピロンクエン酸塩錠は、不安や緊張、ストレスによる心身の不調を穏やかに和らげる目的で使われる薬です

急激な変化をもたらすタイプではなく、継続することで少しずつ気持ちが落ち着きやすくなります。依存リスクが比較的低い点や、生活に合わせて使いやすい点も特徴です。一方で、眠気や飲み合わせなど注意点もあるため、医師と相談しながら安全に使うことが大切です。

不安や緊張を抱えた生活にお困りの方は、一歩踏み出すきっかけとして、ぜひ本記事を役立ててみてください。

お薬の不安は薬局や薬剤師へのご相談もおすすめです。
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参考
タンドスピロンクエン酸塩錠添付文書
タンドスピロンクエン酸塩錠お薬のしおり

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