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【薬剤師監修】エスゾピクロン(ルネスタ)とはどんな睡眠薬?期待できる効果や副作用を解説

「毎日なかなか眠れなくて、翌日に眠気が来てしんどい…」
「エスゾピクロン(ルネスタ)を飲んで依存してしまったらどうしよう」

このように悩んでいる人に向けて、エスゾピクロン(ルネスタ)の特徴や期待できる効果について詳しく解説します。基本的な飲み方や副作用・注意点など、セルトラリン錠を使う前に知っておくべきことを網羅的に説明しています。

不眠の症状に悩んでいる人や、睡眠薬を使うことに不安がある方は、ぜひ参考にしてください。

お薬の不安は薬局や薬剤師へのご相談もおすすめです。
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監修者
木下 将吾のプロフィール写真

話せるメディカル株式会社 代表取締役|薬剤師

木下 将吾

6年制薬学部を卒業後、日本イーライリリー株式会社にて糖尿病・成長ホルモン領域のMRとして2年間従事。基礎インスリンから経口血糖降下薬まで幅広い製剤を担当し、多くの専門医とともに糖尿病治療を通じた患者貢献のあり方を検討。現在は、はなせる薬局の管理薬剤師・開設者として、医療機関連携を通じて患者さんへの貢献の幅を広げるべく活動している。

目次

エスゾピクロン(ルネスタ)とは

エスゾピクロンは、不眠症の治療に使われる処方の睡眠薬で、日本ではルネスタという商品名で流通しています。日本では2012年に発売された比較的新しい睡眠薬です。

脳のGABAA受容体に結びつき、過剰な興奮を抑えて眠りに入りやすくし、一定時間そのまま眠れるように働きます。

入眠に時間がかかる人だけでなく、夜中に起きてしまう人にも処方されることがある睡眠薬になります。

非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬

エスゾピクロンは、ルネスタとして処方される非ベンゾジアゼピン系(Z薬)に分類される睡眠薬です。従来のベンゾジアゼピン系より筋弛緩作用や抗不安作用が弱く、翌朝のふらつきなどが出にくいとされています。

眠りに関わる部分を選択的に高める設計のため、日中も動きたい人や高齢者にも使いやすい医薬品と考えられております。

はなせる薬局 薬剤師

依存の心配が全くないわけではないので、処方量と期間は医師の指示に合わせて使いましょう。

睡眠薬の中でのエスゾピクロン(ルネスタ)の位置づけ

睡眠薬は大きく、脳の興奮をぐっと抑えて眠りにつきやすくするタイプと、本来の眠気を後押しするタイプに分けられます。

エスゾピクロン(ルネスタ)は前者で、ベンゾジアゼピン系や他のZ薬と同じようにGABAの作用を強めることで脳の興奮を抑え、疲れて寝落ちするような状態を薬で作る位置づけになります。

比較的しっかり効くため、まず「今夜眠れない」を改善したい人に使われます。

一方で、最近処方が増えているデエビゴは覚醒の仕組みを弱めて自然な眠気を強める薬です。どちらが向くかは不眠のタイプや翌日の予定で変わるので、医師と相談して選ぶと安心です。

エスゾピクロン(ルネスタ)に期待できる効果

エスゾピクロン(ルネスタ)に期待できる効果を4つ紹介します。

入眠しやすくなる

エスゾピクロン(ルネスタ)は、脳の興奮をおさえることで寝つきを助けるタイプの睡眠薬です。就寝前に内服すると、GABAの働きが強まり、覚醒状態から睡眠への切り替えがしやすくなります。

「布団に入っても30分以上眠れない」「明日のことを考えて焦る」といった入眠障害の人に処方されることが多い薬です。作用の立ち上がりが比較的早いので、決めた時間に飲んでおくとスムーズに眠りに入りやすくなります。

寝ている途中で目が覚めにくくなる

エスゾピクロン(ルネスタ)は、眠りに入るだけでなく、夜間に目が覚めてしまう回数を減らす効果も期待できます。作用時間が3〜4時間ほどあるため、睡眠の前半をある程度しっかり保ちやすくなるのが特徴です。

その結果、浅い眠りで何度も起きてしまう人や、途中でトイレに起きたあと再入眠しづらい人の症状緩和が期待できます。

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実際に、2mg以上では睡眠維持の改善がよりはっきりすることが報告されています。

比較的次の日の朝に眠気が残りにくい

エスゾピクロン(ルネスタ)は、同じZ薬でもあるゾピクロン(アモバン)を改良してつくられており、翌朝の眠気やふらつきが比較的出にくいとされています。

睡眠に関わる部分へ選択的に作用するため、筋肉を弛緩させる作用が弱く、ふらつきの副作用が少ないのが利点です。

ただし、用量が多い場合や高齢の人、睡眠時間が十分にとれない日は翌朝に眠気が残ることもあるので、医師が指示した量とタイミングを守って使うことが大切です。

エスゾピクロン(ルネスタ)の基本的な飲み方

ここでは、エスゾピクロン(ルネスタ)の基本的な飲み方について詳しく解説します。適切な服用量やタイミングを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

エスゾピクロン(ルネスタ)の適切な服用量

エスゾピクロン(ルネスタ)の通常量は成人で1回2mg、高齢者では1回1mgを就寝前に服用するのが基本です。症状が続く場合は医師が様子を見ながら増量し、成人は1回3mgまで、高齢者は1回2mgまでにとどめます。

量を多くすると翌朝の眠気やふらつきが出やすくなるため、自己判断で増やすのは避けましょう。飲むタイミングも必ず指示に合わせましょう。

エスゾピクロン(ルネスタ)を服用するタイミング

エスゾピクロン(ルネスタ)は、眠る準備が整った状態で就寝直前に飲むのが基本です。服用後10〜30分ほどで眠気が出てくるため、そのあとに家事をしたり外出したりする予定がある日は使わないようにしましょう。

また、食事と同時や食後すぐに飲むと、薬の吸収が遅れて効果発現までの時間が遅くなり、効果が弱くなることがあるため、食後2時間以上経ってから服用してください。

はなせる薬局 薬剤師

毎日同じくらいの時間に飲むと効き方が安定しやすいので、意識するようにしましょう。

エスゾピクロン(ルネスタ)の副作用

エスゾピクロン(ルネスタ)の副作用は以下の通りです。

生じる恐れがある副作用症状の特徴
眠気・だるさ翌朝まで眠気・だるさが残ることがある。
運転や機械操作の際は特に注意が必要。
めまい・ふらつき立ち上がったときにふらつき、平衡感覚の低下を感じる場合がある。
特に高齢者は転倒に注意。
頭痛軽い頭の痛みや重さを感じることがある。通常は一過性。
味覚異常
口の苦み等
服用後に口の中が苦く感じることがある。
服用直後に水で軽く口をすすぐと軽減する場合もある。
記憶の欠落服用後に起きて行動すると、後でその間の記憶が抜けることがある。
服用後はすぐに就寝することが大切。
睡眠中の行動夢遊や寝ぼけて外出するなど、睡眠中に無意識で行動する例がまれに報告されている。
依存・耐性長期連用で薬が効きにくくなったり、急に中止すると眠れなくなることがある。
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上記のような副作用があるため、医師に相談しながら慎重に服用しましょう。

エスゾピクロン(ルネスタ)に関する注意点

エスゾピクロン(ルネスタ)に関する3つの注意点について、詳しく解説します。

アルコールと一緒に飲むのは危険

エスゾピクロン(ルネスタ)は、脳の働きを抑えて眠りに入りやすくする薬です。お酒も同じように中枢神経を抑えるため、同時にとると作用が重なり、普段より強い眠気やふらつき、呼吸が浅くなるなどの危険が高まります。

記憶が抜ける、起きて行動しても覚えていないといった症状が出ることもあります。就寝前に飲酒した日は服用を避け、飲み会が多い人やお酒をやめにくい人は、必ず医師に伝えておきましょう。

自己判断で量を増やしたり中断したりしない

エスゾピクロン(ルネスタ)は、効き目を見ながら医師が用量を調整していく薬です。眠れない日が続いたからといって自分で量を増やすと、翌朝の強い眠気やふらつき、記憶が抜けるような症状が出るおそれがあります。

反対に、長く飲んでいた薬を急にやめると「前より眠れない」という反跳性の不眠が起きることもあります。効き目が弱くなってきたと感じたときや、やめたいと思ったときは、自己判断せずに医師に相談しましょう。

他の薬と併用する際は必ず医師に確認する

エスゾピクロン(ルネスタ)は、ほかの薬と一緒に飲むと作用が強く出ることがあります。

特に、眠気を引き起こす可能性のある薬との併用には注意が必要です。抗うつ薬の一部、鎮痛薬・麻薬性鎮痛薬、眠くなるタイプのかぜ薬やアレルギー薬などと一緒に服用すると、眠気やふらつきが強まるほか、反応や判断力が低下する恐れがあります。

また、感染症治療薬のイトラコナゾールやクラリスロマイシンなどルネスタの代謝酵素を阻害する薬と併用すると、ルネスタの血中濃度が上がって副作用が出やすくなることが知られています。

現在飲んでいる薬や市販薬、サプリがあるときは必ず受診時に伝え、医師・薬剤師に併用して良いか確認しましょう。

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エスゾピクロン(ルネスタ)を服用できない方

エスゾピクロン(ルネスタ)を服用できない方の特徴について解説します。該当する方は、必ず医師に伝えて服用するか判断して貰ってください。

重症筋無力症・急性閉塞隅角緑内障のある方

重症筋無力症・急性閉塞隅角緑内障のある方は、ルネスタを服用できません。

筋肉をゆるめる作用が重症筋無力症を悪化させるおそれがあり、また抗コリン作用で眼圧が上がり急性発作を招く心配があるためです。

本剤の成分又はゾピクロンに対し過敏症の既往歴のある方

妊娠中の方がエスゾピクロン(ルネスタ)を服用した場合の胎児への安全性は十分に分かっておらず、特に妊娠後期の投与で生まれた赤ちゃんに呼吸が浅くなる・けいれんのような動きが出る・母乳が飲みにくい、といった離脱症状が報告されています。

そのため、有益性が明らかに上回る場合だけに限り、慎重に処方されます。授乳中の方に関しても禁忌ではないものの、避けるべきとされております。

小児・思春期など安全性が確立していない方

エスゾピクロン(ルネスタ)は成人と高齢者を対象にした薬であり、子どもや思春期での有効性と安全性はまだ十分に確認されていません。

発達途中の脳は薬の影響を受けやすく、過度な眠気や睡眠中の異常行動が出ても評価が難しいため、通常は使用を控えます。

すでに抗てんかん薬、抗精神病薬、ほかの睡眠薬など中枢を抑える薬を飲んでいる場合は、呼吸が弱くなる恐れがあるので必ず専門医に相談してください。

エスゾピクロン(ルネスタ)に関するよくある質問

ここでは、エスゾピクロン(ルネスタ)に関するよくある質問に回答します。疑問や不安がある方は、解消してから服用しましょう。

「デエビゴ」「ベルソムラ」との違いは?

エスゾピクロン(ルネスタ)は、GABAの働きを高めて脳の興奮を抑えるタイプの睡眠薬で、寝つきを助け、前半の睡眠をある程度保ちやすくします。

対して、デエビゴやベルソムラはオレキシン受容体拮抗薬で、覚醒のシグナルを遮って自然な眠気を後押しします。筋弛緩や記憶への影響は比較的少ない一方、入眠までにやや時間を要する場合もあります。

作用の質が異なるため、不眠の型や翌朝の予定、体質で向き不向きが分かれます。最終的な選択は医師と相談して決めましょう。

エスゾピクロン(ルネスタ)にジェネリック医薬品はありますか?

エスゾピクロンには、現在複数メーカーのジェネリック医薬品があります。

有効成分は先発のルネスタと同じで、承認時に溶け方や血中濃度の推移が同等であることを確認してから販売されるため、効果や安全性は原則同等と考えられます。

ジェネリック医薬品を選べば価格を抑えられるのが一般的です。なお、添加物や錠剤の大きさ、口の中での味の感じ方などは銘柄によりわずかに異なることがあります。

エスゾピクロン(ルネスタ)の代わりになる市販薬はありますか?

エスゾピクロン(ルネスタ)と同じ成分の市販薬はありません。

市販で手に入るのは、ドリエルなどの睡眠改善薬で、花粉症をはじめとするアレルギー性鼻炎や蕁麻疹の治療薬と同じ抗ヒスタミン成分が入っています。抗ヒスタミン成分の眠気の副作用を利用して不眠症状を緩和させる薬です。

いわゆる一時的な寝つきの悪さには役立つことがありますが、不眠症の治療効果は限られます。

翌日の眠気や口の渇き、排尿しづらさなどの副作用にも注意が必要です。つらい状態が続く場合は、生活習慣の見直しとあわせて医療機関で相談しましょう。

エスゾピクロン(ルネスタ)は翌朝眠気が残りますか?

エスゾピクロン(ルネスタ)を服用した翌朝は、眠気が出ることがあります。エスゾピクロン(ルネスタ)は比較的残りにくい薬とされますが、用量が多いと残存作用が強まりやすいです。

服用は就寝直前に行い、起床まで7〜8時間ほど眠れる日だけにしましょう。翌朝に強い眠気やふらつきを感じたときは、診察で量や飲み方の見直しを相談してください。

エスゾピクロン(ルネスタ)は毎日飲んでも問題ありませんか?

エスゾピクロン(ルネスタ)を毎日服用しても良いかは、症状や体質によります。エスゾピクロン(ルネスタ)は医師の管理下で連日処方されることがありますが、基本は必要最小量を最短期間で使う方針が推奨されます。

長期的に毎日使い続けると、効き目を感じにくくなったり、依存したりする恐れがあります。毎日使う場合は定期的に診察を受け、量や飲む時間を見直しましょう。

まとめ|エスゾピクロン(ルネスタ)がどんな睡眠薬か理解しよう

エスゾピクロン(ルネスタ)は、入眠を助け睡眠の前半を保ちやすくする処方薬です。通常は就寝直前に少量から開始し、医師の指示で調整します。

エスゾピクロン(ルネスタ)を服用する際には、副作用として、眠気やふらつき、味覚の違和感、まれに健忘や睡眠中の異常行動が起こることがあることを理解しておきましょう。

また、アルコールや一部の薬との併用、自己判断の増減は避けるべきです。妊娠・授乳、呼吸器疾患などに該当する方は、必ず服用する前に医師に相談しましょう。

ぜひ、本記事の内容を参考にして、エスゾピクロン(ルネスタ)について理解を深めてください。

お薬の不安は薬局や薬剤師へのご相談もおすすめです。
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参考
エスゾピクロン添付文書
エスゾピクロンお薬のしおり

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