「気分が落ち込んだり、集中できなくて困っている」
「エスシタロプラム錠を処方されたけれど、本当に飲んで大丈夫かな?」
「急にやめにくくなったりしないか心配」
このような不安を抱える方に向けて、本記事ではエスシタロプラム錠の特徴や期待できる効果、基本的な飲み方を分かりやすく解説します。飲み忘れ時の対処、効果を感じるまでの目安、日々の服用の注意点も紹介します。
心療内科・精神科の薬に不安がある方や、落ち込みや不安・緊張のつらい症状を軽くしたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
お薬の不安は薬局や薬剤師へのご相談もおすすめです。
はなせる薬局は待ち時間なしでスマホから服薬指導を受けれるサービスです。
\ 処方薬をスマホでお届け /
エスシタロプラム錠とは
エスシタロプラム錠は、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)に分類される、うつ病・うつ状態や不安症の治療に用いられる抗うつ薬です。
脳内でセロトニンの再取り込みを抑え、セロトニンの働きを高めます。セロトニンは精神の安定や幸福感に関わる物質なので、セロトニンの働きが高まることで気分の不安定さや落ち込みを和らげる効果が期待できます。
一言でエスシタロプラム錠と言っても、日本では先発品のレクサプロとジェネリックが流通しています。初めて抗うつ薬を試す人にも処方されることが多く、継続して服用することで日常生活の立て直しを後押しします。
エスシタロプラム錠に期待できる効果
エスシタロプラム錠に期待できる効果を3つ紹介します。
気分の落ち込みをやわらげる
エスシタロプラムは、脳内でセロトニンの再取り込みを選択的に抑えるとされています。
セロトニンの働きが整うと、理由のない落ち込みや気力の低下、物事を悲観的に捉えがちな状態がやわらぎ、日常の出来事への興味や意欲を取り戻しやすくなります。
「何をしても楽しめない」「集中が続かない」「朝が特につらい」といった抑うつ症状が少しずつ軽くなり、勉強や仕事などの行動を始めやすくする効果が期待できるでしょう。
不安や緊張を軽くする
セロトニンの再取り込みを選択的に抑えるエスシタロプラムは、神経の過敏さをしずめ、不安や緊張の高ぶりを和らげる効果も見込めます。
これにより、過度の警戒心や予期不安が弱まり、人前で話す時や通勤時など特定の場面で感じるこわばりが少なくなることが期待できます。
頭の中で同じ心配がぐるぐる巡る状態が落ち着き、物事を客観的に捉えやすくなるため、会議や試験準備にも取り組みやすくなるでしょう。
はなせる薬局 薬剤師不安に伴う動悸や手のふるえ、胃の不快感といった身体の緊張症状が軽くなる人もおり、日常生活の負担感を下げる効果が期待できます。
イライラ・焦り・不安定な気分を抑える
エスシタロプラムを服用することで、脳内のセロトニン調整を通じて情緒の波をなだらかにし、イライラや焦りを落ち着かせる働きが期待できます。
ささいな刺激に過敏に反応しにくくなり、衝動的に言い返してしまう・落ち着かずそわそわするといった精神的な高ぶりが抑えられることで、日常の計画を立てて行動に移しやすくなるケースもあります。
エスシタロプラム錠の基本的な飲み方
ここでは、エスシタロプラム錠の基本的な飲み方を解説します。服用する頻度やタイミング、飲み忘れた場合の対処法を紹介するので、あらかじめ理解しておきましょう。
1日1回、決まった時間に服用する
エスシタロプラム錠は通常、1日1回夕食後水またはぬるま湯で内服します。毎日同じ時間に飲むことで体内の薬の濃さが安定し、狙った効果を得やすくなります。
飲み忘れを減らすためには、スマホのアラームやピルケースを活用するなどの工夫が効果的です。
食後に服用を行うこと
エスシタロプラム錠は、食事の影響を受けにくい薬になります。基本的には食後の服用することを推奨いたします。
日によってタイミングを変えると飲み忘れや体内の薬の濃さの変動につながるため、できるだけ毎日同じタイミングで飲みましょう。



胃のムカつきや吐き気が出やすい方は、受診時に医師に相談するようにしましょう。吐き気止めを一緒に処方されるケースが多い薬になります。
飲み忘れた場合の対処法
エスシタロプラム錠の飲み忘れに気づいたら、できるだけ早く1回分を服用しましょう。ただし次の服用時間が数時間以内など、近い場合は忘れた分は飲まずに、次回の予定時間に通常量を1回だけ服用してください。
なお、2回分を一度に飲むのは避けましょう。いきなり血中濃度が上がると、吐き気やめまいなどの副作用が強く出る恐れがあります。
飲み忘れが続いてしまう場合は、アラームやピルケースを活用するのがおすすめです。
エスシタロプラム錠の副作用
エスシタロプラム錠の副作用は、以下の通りです。
| 生じる恐れがある副作用 | 症状の特徴 |
| 吐き気・胃の不快感 | 飲み始めの1〜2週間に出やすく、次第に落ち着くことが多い |
| 頭痛・めまい | 服用初期に軽い頭痛やふらつきを感じることがある |
| 眠気・倦怠感 | 日中にだるさや集中力の低下を感じる場合がある |
| 不眠・焦り・落ち着かない感じ | ごくまれに一時的な不安感や焦燥感が出ることがある |
| 口の渇き・便秘 | 自律神経への影響で一時的に口が乾いたり便秘になることがある |
| 性機能の変化 | 性欲の低下や射精の遅れがみられることがある |
| 離脱症状 | 急に中止するとめまいやしびれ感などが出ることがある |
エスシタロプラム錠を服用していて副作用が生じた場合は、必ず医師に相談してください。
エスシタロプラム錠に関する注意点
エスシタロプラム錠を服用する際には、いくつかの注意点があります。詳しく解説するので、把握しておきましょう。
効果が出るまでに2〜4週間ほどかかる
エスシタロプラム錠は即効型ではなく、脳内のセロトニン調整を通じて少しずつ効いてくる薬です。多くの人は2〜4週間かけて落ち込みや緊張の角が取れ、日常のやる気や集中の戻りを感じ始めます。
服用初期に大きな変化を感じないケースは決して珍しくありません。焦らず継続し、受診のタイミングで症状の経過を見直すことで、効果の有無を判断しやすくなります。



効果の感じ方には個人差があるため、睡眠や食欲、気分の波などを簡単に記録しておくと受診時の評価に役立ちます。
自己判断で服用をやめない
エスシタロプラム錠を服用していて症状が良くなっても、自己判断で中止するのはやめましょう。急に服用をやめてしまうと、落ち込みや不安のぶり返し、めまい・ふらつき・不眠などの離脱症状が出る恐れがあります。
エスシタロプラム錠に限らず、心療内科・精神科で処方される薬の減量や終了は医師と相談し、数週間かけて段階的に行いましょう。
お薬の不安は薬局や薬剤師へのご相談もおすすめです。
はなせる薬局は待ち時間なしでスマホから服薬指導を受けれるサービスです。
\ 処方薬をスマホでお届け /
アルコールとの併用は避ける必要がある
エスシタロプラム服用中は、基本的に飲酒を避けましょう。
アルコールには中枢神経を抑える作用があり、薬による眠気やめまい、ふらつき、判断力低下が強まるおそれがあります。気分の落ち込みが悪化したり、衝動性が高まることもあるため、運転や機械作業を行う日は特に禁酒が安全です。
職場の飲み会などでどうしてもアルコールを飲む場面がある場合は、事前に主治医へ相談し、可否や注意点を確認してください。量を控える・ゆっくり飲む・他の眠くなる薬との併用を避けるなどを心がけると良いです。
エスシタロプラム錠を服用できない方
以前にエスシタロプラム(レクサプロ)や同成分で発疹などのアレルギー症状が出たことがある方は、エスシタロプラム錠は服用できません。
また、パーキンソン病治療薬であるセレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩などのモノアミン酸化酵素阻害薬を服用中、または中止後しばらくの期間の方、ピモジド内服中の方、QT延長のある患者(先天性QT延長症候群等)も併用できません。
他にも、以下に当てはまる場合は医師と相談した上で、エスシタロプラム錠を服用するか慎重に判断する必要があります。
- 心疾患や不整脈がある、心電図でQT延長の指摘がある
- 低カリウム血症など電解質異常がある
- 重い肝機能障害がある、腎機能が低下している
- てんかんなど、けいれん性疾患の既往がある
- 双極性障害(躁うつ病)の既往がある
- 出血しやすい体質がある、抗凝固薬や一部の鎮痛薬を使用中
- 低ナトリウム血症の既往がある、利尿薬を使用中や高齢者
- 緑内障(特に閉塞隅角)や眼圧上昇のある人
- 妊娠中・妊娠の可能性がある・授乳中
- 他のセロトニン作用薬やトラマドール、リネゾリドなどとの併用予定がある



上記に当てはまる場合は、診察時に医師へ必ず申告してください。自己判断での開始や併用は避けましょう。
エスシタロプラム錠に関するよくある質問
ここでは、エスシタロプラム錠に関するよくある質問に回答します。安心した状態でエスシタロプラム錠の服用を開始したい方は、ぜひ参考にしてください。
エスシタロプラム錠を服用すると太るって本当?
エスシタロプラム錠を飲んだからと言って、体重が増えるわけではありません。しかし、治療が進み抑うつが和らぐと、落ちていた食欲や活動量が戻り、反動で体重が増えたように感じる人はいます。
また、まれにエスシタロプラム錠の影響で食欲が変化することもあります。体重が増えやすい人や糖尿病がある人は、食事量と体重を週1回ほど記録し、甘い飲料や間食を見直すと安心です。



短期間で急に体重が増えたり、むくみや息切れを伴うなど気になる変化が出たりしたら、自己判断で中止せず医師に相談してください。
エスシタロプラム錠とレクサプロとの違いは?
レクサプロは先発品で、エスシタロプラム錠はそのジェネリックで、いずれも有効成分は同じです。効果や安全性も同等に設計されており、血中での動きも規定範囲内で一致するよう確認されています。
ただし、添加物や錠剤の大きさ・割線・味などが異なる場合があります。薬代を抑えたい場合はジェネリックを活用するのも手段のひとつです。切り替える場合は服用感や相性も踏まえて、医師や薬剤師に相談しましょう。
エスシタロプラム錠はどのくらいの期間飲み続けるもの?
エスシタロプラム錠を飲み続ける期間は症状や既往で異なりますが、症状が落ち着いてもすぐに中止せず、寛解後も数か月から半年ほど継続するのが一般的です。
再発歴がある人や症状が重かった人、ストレス要因が続く人などは再発リスクが高いため、医師の判断で1年以上の維持療法を行うこともあります。減量や中止は段階的に進める必要があるため、受診時に時期や方法を相談し、気分や睡眠の記録をもとに調整しましょう。
まとめ|エスシタロプラム錠について正しく理解しよう
エスシタロプラム錠は、うつ病・うつ状態や不安症の治療に用いられる抗うつ薬です。SSRIとしてセロトニンの再取り込みを抑え、脳内の伝達を整えることで、落ち込みや不安、集中しづらさの緩和が期待できます。
依存性は低い薬ですが、人によっては眠気、吐き気、めまい、口の渇きなどの副作用が出ることがあります。途中で自己判断で中止すると症状のぶり返しや離脱症状の原因になるため、用量調整や終了は必ず医師と相談して進めましょう。
ぜひ、本記事を参考にして、エスシタロプラム錠についての理解を深めてください。
お薬の不安は薬局や薬剤師へのご相談もおすすめです。
はなせる薬局は待ち時間なしでスマホから服薬指導を受けれるサービスです。
\ 処方薬をスマホでお届け /

