「寝つきが悪くて毎日しんどい…」
「ベルソムラを飲んでも大丈夫なのか少し不安」
こうした悩みや疑問を抱えている方も多いでしょう。夜になってもなかなか眠れず、翌朝までだるさが続くのはつらいものです。
この記事では、ベルソムラの特徴や期待できる効果、副作用、注意点などを分かりやすく解説します。基本的な飲み方や避けた方が良い組み合わせ、よくある質問まで網羅しているので、服用前に知っておきたいポイントをしっかり理解できる内容になっています。
不眠の症状に悩んでいる方や、睡眠薬の使用に不安がある方は、ぜひ参考にしてください。
お薬の不安は薬局や薬剤師へのご相談もおすすめです。
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ベルソムラとは
ベルソムラは、有効成分スボレキサントを含む処方薬で、「オレキシン受容体拮抗薬」に分類される新しいタイプの睡眠薬です。
従来の睡眠薬(ベンゾジアゼピン系など)の多くが脳の活動全体を抑え込んで眠らせるのに対し、ベルソムラは「自然な眠りの流れ」を重視して作用するのが大きな特徴です。
はなせる薬局 薬剤師作用としては、脳内で覚醒を促すオレキシンという物質の働きをおさえることで、「起き続けようとする力」を弱め、自然な流れで眠りに入りやすくサポートします。
従来のベンゾジアゼピン系睡眠薬などと比べて、依存性や筋弛緩作用が少ないとされており、主に寝つきの悪さや途中で何度も目が覚めてしまうタイプの不眠症に用いられます。
加えて、ベルソムラは先発薬として販売され、後発のジェネリック医薬品は発売されていない医薬品になります。
ベルソムラに期待できる効果
ベルソムラに期待できる効果を4つに分けて解説します。自身に合いそうか気になる人は、ぜひ読んでみてください。
入眠までの時間の短縮による寝つきの改善
ベルソムラは、脳内で「起きていなさい」という指令を出すオレキシンという物質の働きをおさえることで、眠りに入りやすくする薬です。無理やり眠らせるというより、覚醒のスイッチを少し弱めるイメージに近いです。
その結果、布団に入ってから頭がさえてしまう、いろいろ考えてしまって寝つけないといった状態が和らぎ、自然な流れで入眠しやすくなります。
従来の睡眠薬に比べて、ふらつきや依存性のリスクが少ないとされている点も特徴です。
夜間・早朝の中途覚醒の減少
ベルソムラは、脳を「起こす側」に働くオレキシンの作用をおさえることで、夜中や早朝に目が覚めてしまう中途覚醒を減らすことが期待される薬です。
眠りを深くしようとするというより、睡眠中に目が覚めてしまうスイッチが入りにくくなるイメージです。
そのため、夜中に何度も目が覚めてしまう、早朝に起きてしまってそのまま眠れないといった悩みの軽減が期待できます。



また、一度目が覚めてしまっても、脳の覚醒が抑えられていることで、再び眠りに戻りやすい状態になりやすいです。
睡眠の持続時間とまとまりの改善
ベルソムラは、途中で何度も目が覚めて睡眠が細切れになりやすい人の「眠りのつながり」を整えることが期待できる薬です。
脳を覚醒させるオレキシンの働きをおさえることで、眠りが中断されにくくなり、結果として睡眠全体の持続時間が伸びやすくなります。夜のあいだの睡眠リズムが乱れにくくなると、同じ睡眠時間でも「ぐっすり眠れた」と感じやすくなる点もポイントです。
自然に近い睡眠リズムへの整え
ベルソムラは、「無理やり眠らせる」というよりも、「起き続けようとする力を弱める」タイプの睡眠薬です。脳の覚醒を促すオレキシンの働きをおさえることで、体本来の眠気が出やすい状況をつくり、自然な流れで睡眠に入っていきやすくします。
そのため、急に強い眠気が来るというより、就寝時間に合わせて少しずつ眠気が高まり、入眠から深い睡眠、朝の目覚めまでのリズムが比較的生理的に保たれやすいと考えられています。
ただし、生活リズムが大きく乱れていると効果を実感しにくいこともあるため、生活リズムの見直しも並行して行うと良いでしょう。
ベルソムラの基本的な飲み方
ここでは、ベルソムラの基本的な飲み方を解説します。服用する頻度やタイミング、飲み忘れた際にすべきことを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
1日1回就寝前の服用が基本
ベルソムラは、通常1日1回、就寝の直前に服用するのが基本です。
脳の覚醒をおさえることで眠りにつきやすくする薬なので、「これから寝る」というタイミングで飲むことで、本来の作用を発揮しやすくなります。寝る1〜2時間前ではなく、布団に入る直前を目安にすると覚えやすいでしょう。



普段の就寝時間が不規則な場合や、シフト制の勤務をしている場合は、飲むタイミングについて必ず医師と相談しておくと安心です。
夕食から時間をあけた、空腹に近いタイミングでの服用
ベルソムラは、飲むタイミングによって効き方が変わりやすい薬です。特に脂肪分の多い食事をとった直後に服用すると、薬が体に吸収されるスピードがゆっくりになり、眠くなるまでの時間が遅れやすいとされています。
そのため、夕食を食べてから少なくとも2時間ほど時間をあけ、できるだけ空腹に近いタイミングで飲むことがすすめられます。
本剤の服用の際は、食事と同時又は食事直後の服用は避けるようにしましょう。
年齢や症状に応じた用量調整の目安
ベルソムラの用量は、一般的には成人で20mg、高齢者では15mgが標準とされています。まずはこの範囲から始め、実際の眠りの様子や副作用の有無を見ながら調整していくのが基本です。
ふらつきや強い眠気が出やすい方、ほかの薬との飲み合わせで効き過ぎが心配な方などでは、10mgといった少なめの量が選ばれることもあります。
どの用量が合うかは、年齢だけでなく、体格、体質、持病、併用している薬などによって変わります。
飲み忘れに気づいたときの対処法
ベルソムラを飲み忘れたことに後から気づいても、起きる時間が近い場合は、その時点で飲むのは避けます。朝に近い時間に服用すると、起床後まで眠気やだるさが残り、ふらつきや注意力低下につながるおそれがあるためです。
基本的には、無理に取り戻そうとせず、その日はスキップして翌日の就寝前から、いつも通りのタイミングで再開します。



飲み忘れが続くときは、服用時間のリマインダーを設定したり、対処法について主治医に相談したりすることも検討しましょう。
ベルソムラの副作用
ベルソムラには、以下のような副作用があります。
| 生じる恐れがある副作用 | 症状の特徴 |
| 眠気 | 翌朝までボーッとする、集中しにくい |
| 悪夢・異常な夢 | 夢の内容が強く残る、嫌な夢を見る |
| 頭痛 | 軽度の痛み、締め付け感が出ることも |
| めまい・ふらつき | 起き上がり時にフラッとする |
| 疲労 | いつもより体が重い、だるさがある |
| 睡眠時の無呼吸悪化 | いびきが強くなる、息が止まる回数増加 |
| 夜間行動 | 寝ぼけ行動 |
服用中に上記のような症状が出た場合は、医師に必ず申告しましょう。
ベルソムラに関する注意点
ベルソムラに関する注意点を4つ紹介します。事前に理解しておくことで、トラブルを防ぎやすくなるでしょう。


眠気やふらつきが出る可能性があること
ベルソムラを服用すると、人によっては翌朝まで眠気やだるさが残ることがあります。
頭がぼんやりしたり、反応が遅くなったりすると、集中力の低下や判断ミスにつながるおそれがあります。また、ふらつきや立ちくらみが出ることもあり、特に起き上がるときや階段の上り下りでは注意が必要です。
特に自動車の運転など危険を伴う機械の操作は行わないよう注意しましょう。



強い眠気やふらつきが続く場合は、無理をせず、用量の調整や飲むタイミングについて必ず医師に相談してください。
脂肪分の多い食事で効果が遅れる場合がある
ベルソムラは、飲む前にとった食事の内容によって、効き始めるタイミングが変わることがあります。特に脂肪分の多い食事を直前に食べると、薬が体に吸収されるスピードが遅くなり、眠りに入るまで時間がかかりやすくなるとされています。
そのため、夕食のあとすぐに飲むのではなく、少なくとも2時間以上あけ、できるだけ空腹に近い状態で服用するのが望ましいとされています。夜遅くの間食が多い場合は、ベルソムラを飲む時間とのバランスをあらかじめ考えておくことが大切です。
アルコールや併用薬との飲み合わせに注意
ベルソムラを飲むときは、アルコールや一緒に飲む薬との相性に注意が必要です。お酒を飲むと眠気やふらつきが強く出やすくなり、転倒や事故につながるおそれがあります。
また、他の睡眠薬や抗不安薬、抗うつ薬、抗精神病薬など中枢神経に作用する薬と併用すると、眠気が強まり過ぎたり、判断力が落ちたりするリスクが高まります。
現在飲んでいる薬や普段の飲酒習慣は、受診時にできるだけ詳しく医師や薬剤師に伝え、併用しても問題ないか確認してもらいましょう。
自己判断での増減や急な中止は避け、医師の指示に従う
ベルソムラは、中枢神経に作用する薬なので、用量の調整は必ず医師の管理のもとで行う必要があります。効き目が弱いと感じても、自己判断で量を増やすと、強い眠気やふらつき、翌朝までのだるさなど副作用のリスクが高まります。
また、眠れるようになったからといって急に飲むのをやめると、かえって寝つきが悪くなったり、睡眠リズムが乱れたりすることもあります。



効果や副作用について気になる点がある場合は、飲み方の記録をつけたうえで受診時に相談し、医師の指示に従って段階的に用量の調整や中止をしていくことが大切です。
ベルソムラを服用できない方
本剤の成分(スボレキサント)に対して過敏症の既往がある方は、ベルソムラの服用にあたり「禁忌」とされています。原則として、ベルソムラを服用できません。
また、ベルソムラを体内で分解する酵素の働きを強く阻害する薬を飲んでいる方も利用ができないため、注意しましょう。
例)イトラコナゾールなどの特定の抗真菌薬、クラリスロマイシンなどの特定の抗生物質、リトナビルを含む特定の抗ウイルス薬など
また、以下に該当する方は、ベルソムラを服用しても問題ないか、医師によって都度判断することになります。
・重度の肝臓の病気がある方
・重度の呼吸器の病気がある方
・高齢の方
・妊娠中・授乳中の方
・ナルコレプシーやカタプレキシーがある方
・アルコールを飲む習慣がある方
診察時にしっかりと申告し、服用できるか判断してもらいましょう。
ベルソムラに関するよくある質問
ベルソムラに関するよくある質問に回答します。疑問や不安がある方は、ぜひ解消するのにお役立てください。
ベルソムラとデエビゴの違いは?
ベルソムラとデエビゴは、どちらも「オレキシン受容体拮抗薬(DORA)」という新しいタイプの睡眠薬です。脳のオレキシンを穏やかにブロックし、自然な入眠を助けるという点は共通しています。
しかし、効き始めの速さ・翌朝の眠気の残り方持続時間に違いがあり、「どちらがより適しているか」は個人の症状や体質によって異なります。
一般的に、デエビゴの方が作用がやや強めとされ、寝つきと睡眠の維持の両方に、安定した効果が期待できるといわれます。
作用が長めのデエビゴは「中途覚醒」に強い効果が期待できる半面、翌朝まで薬の影響が残りやすい(眠気、だるさ)可能性があります。
一方、ベルソムラはデエビゴに比べて作用時間が短いため、翌日の眠気が残りにくいと言われています。ただし、どちらが合うかは年齢や体質、他の持病や併用薬によって大きく変わります。



実際の診療では、症状や生活リズム、これまでの睡眠薬の効き方などを踏まえて、医師がどちらを使うか判断することが多いです。
ベルソムラは翌朝眠気が残る?
ベルソムラでも、翌朝まで眠気やだるさが残ることはあります。ただし、従来のベンゾジアゼピン系睡眠薬などと比べると、一般的には朝の残り方は少ないとされます。
とはいえ、体質、代謝の速さ、肝機能、ほかに飲んでいる薬などによって影響の出方はかなり個人差があります。夜更かし続きで睡眠時間そのものが足りていない場合も、薬のせいかどうか判断しにくくなります。
朝の強い眠気やふらつきが続くときは、用量を下げる、飲む時間を調整する、別の薬に切り替えるなどの選択肢もあるため、我慢せずに必ず主治医に相談しましょう。
ベルソムラを飲むと太る・依存するリスクはある?
ベルソムラは、直接「太りやすくする」タイプの薬ではなく、体重増加は一般的な副作用とはされていません。ただ、睡眠が整って食欲が戻ることで、結果的に食事量が増え、体重が変化する人はいます。
また、依存性の面では、従来のベンゾジアゼピン系ベンゾ系睡眠薬などと比べて依存のリスクは低いとされ、急激な離脱症状も起こりにくい薬です。
ただし、「薬がないと全く眠れないのでは」と不安になり、心理的に手放しづらくなるケースはあります。



長期で使う場合は、定期的に医師と相談しながら、必要な量を必要な期間だけ使う意識を持つことが大切です。
まとめ|ベルソムラがどんな薬か理解しよう
ベルソムラは、自然な眠りに近づけることを目的とした新しいタイプの睡眠薬です。
「起きていなさい」という指令を出すオレキシンの働きをおさえることで寝つきを助け、夜中や早朝に目が覚めてしまう「途中覚醒」を減らしやすくします。一方で、眠気・ふらつき、悪夢などの副作用が出ることもあるため、飲み方や用量は必ず医師の指示に従うことが大切です。
「効かない」「翌朝まで残る」と感じる場合でも、飲むタイミングや食事との間隔、生活リズムの影響が大きく関わるため、自己判断せず医師に相談しながら調整していくことが安心です。
ぜひ、本記事の内容を参考に、ベルソムラの特徴を理解し、自分に合った形で上手に活用してください。
お薬の不安は薬局や薬剤師へのご相談もおすすめです。
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