「布団に入ってもなかなか寝つけない」
「睡眠薬を使ってみたいが、依存性や副作用が心配」
このような睡眠に関する悩みや不安を抱えていませんか?
ロゼレムは、脳内のホルモンに働きかけて体内時計を整え、自然に近い眠りを促すお薬です。従来の強い薬とは異なり、無理やり眠らせるものではないため、依存性が少ないといった特徴もあります。
本記事では、ロゼレムの基本的な効果や飲み方、絶対に知っておくべき飲み合わせの注意点などをわかりやすく解説します。
不眠症の治療を検討している方や、処方された薬について詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。
お薬の不安は薬局や薬剤師へのご相談もおすすめです。
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ロゼレム(ラメルテオン)とは
ロゼレムは、脳内で分泌される睡眠ホルモン「メラトニン」の受容体に働きかけることで睡眠を促すお薬です。
従来のベンゾジアゼピン系と呼ばれる睡眠薬は、脳の神経活動を全体的に抑え込む作用がありました。一方で、ロゼレムは人間が本来持っている生理機能を利用して、自然に近い形で眠気を促す仕組みが特徴です。
そのため、脳を強制的に鎮めるというよりも、体内時計を調整して眠りやすい状態へ導く薬といえるでしょう。
また、不眠症のタイプの中でも、特に「なかなか眠れない」といった入眠困難の症状改善に対して処方されることが多いです。依存性などの副作用も比較的少ないとされています。
はなせる薬局 薬剤師加えて、ロゼレムは先発薬となっており、後発のジェネリック医薬品にはラメルテオンというものが存在しています。
ロゼレム(ラメルテオン)に期待できる効果
具体的にどのような場面で効果を発揮するのか、主な3つの特徴についてご紹介します。
自然な眠気による寝つきの改善
ロゼレムを服用すると、血中濃度が上昇していきます。これにより、布団に入ってから実際に眠りにつくまでの時間を短縮する効果が期待できるでしょう。
そして、従来の強い睡眠薬のように、急激に意識を失うような強引な眠り方とは異なり、自然とあくびが出るような穏やかな眠気が訪れるのが特徴です。
また、翌日に大事な予定があるなど、緊張や興奮で目が冴えてしまっている場合でも、気持ちを自然に切り替える手助けとなります。そのため、初めて睡眠薬を使う方でも、違和感の少ない眠りが期待できるでしょう。
体内時計の乱れの改善
ロゼレムには体内時計を調節する働きがあるため、生活リズムが不規則になりがちな方に適しています。
また、加齢とともに体内でのメラトニン分泌量は減少していく傾向があります。そのため、生活リズムが崩れて朝早く目が覚めてしまう高齢者の方などに対しても、不足したホルモンの働きを補い、睡眠リズムを整える効果が期待されています。
質の良い睡眠のサポート
睡眠には、浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠がありますが、ロゼレムはこのバランスを大きく変えることはないとされています。
そのため、従来の睡眠薬と比較して、疲労回復に重要とされる深い眠りを減らす作用が少なく、自然な睡眠構造を維持しやすいといえます。
結果として、朝起きた時に「ぐっすり眠れた」という熟睡感を得やすい傾向があります。



また、薬の作用時間が短めであるため、翌朝まで眠気が残ったり、ふらつきを感じたりといった不快感が比較的少ない点も特徴です。
ロゼレム(ラメルテオン)の基本的な飲み方
薬の効果を適切に得るために知っておきたい、服用するタイミングや注意点についてご説明します。
1日1回、就寝前の服用が多い
通常、成人の場合は1回8mgを就寝前に服用します。ただし、用法用量は個々の状態によって異なるため、必ず医師の指示に従ってください。
なお、スマートフォンやテレビなどから発せられる強い光は、メラトニンの働きを妨げてしまいます。薬の効果を十分に得るためにも、服用後は部屋を暗くして、強い光を浴びないように過ごしましょう。
食事の直後は避けて服用する
食事をした直後に服用すると、薬の成分の吸収が遅れたり、血中濃度が十分に上がらなかったりする可能性があります。
そのため、ロゼレムの効果を最大限にするために、夕食後すぐに飲むのは避けましょう。ある程度時間を空けて、胃の中が消化され空腹に近い状態になってから、就寝前に服用することが重要です。
また、アルコールとの併用は良くありません。アルコールが中枢神経抑制作用を示すため、ロゼレム錠とアルコールの併用により、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が強くなることがあります。そのため、飲酒時の服用は控えましょう。
飲み忘れた場合の対処法
もし飲み忘れて翌朝に気がついた場合は、その分は服用せずに飛ばし、次回から通常通りのタイミングで服用するようにしましょう。
飲み忘れて就寝し、途中で目が覚めて眠れない場合は、翌朝起きる時間までかなり時間があれば、1回分を飲んでもかまいません。ただし、起きるまでに十分な時間がないと、寝過ごしたり、起床時に眠気が残る、ふらつくなどの薬の作用が残ることがあります。



絶対に2回分を一度に飲まないでください。過剰摂取は副作用の原因となるため注意が必要です。
ロゼレム(ラメルテオン)の副作用
ロゼレムの副作用は、以下の表のとおりです。
比較的安全性が高いとされていますが、起こりうる副作用の症状や特徴について確認しておきましょう。
| 生じる恐れがある副作用 | 症状の特徴 |
| 眠気・ぼんやり | 翌朝まで眠気が持ち越してしまうことがある。車の運転や高所作業は避ける。 |
| めまい・ふらつき | 起床時に立ちくらみやふらつきが出ることがある。急に立ち上がらないよう注意。 |
| 頭痛 | 軽い頭痛・頭重感。多くは一時的だが、持続する場合は受診を検討。 |
| 倦怠感 | 体がだるいと感じることがある。日常生活に支障があれば受診。 |
| 重大な副作用(アナフィラキシー) | 呼吸困難、顔や舌の腫れ、蕁麻疹など。直ちに服用を中止し、救急医療機関を受診する。 |
気になる症状が出た場合は、すぐに医師に相談し、服用を続けるか判断して貰うことが重要です。
ロゼレム(ラメルテオン)に関する注意点
安全に治療を続けるために、日常生活での注意点などを解説します。
効果の実感までに2~4週間かかる場合がある
服用後すぐに眠気を感じる方もいますが、ロゼレムは効果が安定するまでに時間がかかることが多い薬です。
そのため、飲み始めて数日で変化を感じなくても、自己判断で中止しないようにしてください。
一般的に、睡眠のリズムが整い効果を実感できるまでには、1週間程度かかると言われていて、場合によっては2〜4週間かかることもあります。焦らずにじっくりと体質を改善していく薬であるため、医師の指示通りに根気よく服用を続けることが重要です。
自己判断での増量・中止は避ける
効果が薄いと感じても、自分の判断で薬の量を増やすのは避けましょう。指定された量を超えて飲んだとしても、睡眠効果が比例して高まるわけではなく、副作用のリスクが増えてしまいます。
反対に、薬をやめる際も注意が必要です。急に服用を中止しても離脱症状は起きにくいとされていますが、不眠の症状がぶり返す可能性もあります。
そのため、医師と相談しながら、徐々に量を減らしていく方法をとる場合が多いです。



安全に治療を終えるためにも、用量の調整は必ず専門家の指示に従いましょう。
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アルコール(お酒)との併用は避ける
服薬期間中は、アルコールの摂取は控えるようにしてください。お酒は睡眠の質を下げてしまうことがあり、ロゼレムの効果が安定しにくくなる可能性があります。
また、ロゼレムとアルコールを一緒にとると、中枢神経が過度に抑えられ、ふらつき・注意力低下・判断力の鈍りが強まりやすいことが報告されています。これにより転倒などのリスクが高くなる場合があります。
薬の効果を十分に引き出し、安全に治療を進めるためにも、アルコールとの併用は避けましょう。
翌朝まで眠気が残る場合の対応
朝起きた時に眠気やふらつきを感じる場合は、無理に活動せず、まずは休息をとってください。そして、薬を飲む時間が遅すぎなかったか、睡眠時間が短すぎなかったかを確認しましょう。
もし、正しく服用しているにもかかわらず翌朝の不快感が続くようであれば、薬が体に合っていない、または効きすぎている可能性があります。
その際は医師に相談し、服用のタイミングを早めたり、薬を変更したりといった調整を検討してもらいましょう。作用時間の短い薬への変更が適切な場合もあります。
車の運転や危険な作業は控える
自覚症状として眠気を感じていなくても、薬の影響で集中力や注意力が低下している場合があります。そのため、ロゼレムを服用した後は、車の運転や機械の操作などは行わないようにしましょう。
特に、飲み始めの時期や量を増やした直後は、薬にどのように反応するか予測できません。高所での作業や精密機械の取り扱いなど、危険を伴う作業に従事する場合は、事故につながるリスクもあります。



ご自身の安全はもちろん、周囲への配慮のためにも、服薬後の行動には十分な注意が必要です。
ロゼレムを服用できない方
体質や持病、現在飲んでいる薬によっては、ロゼレムを服用できないケースがあるため確認が必要です。
■ロゼレムを服用できない方(禁忌)
・高度な肝機能障害のある方
・フルボキサミンマレイン酸塩を服用中の方
・ロゼレムの成分に対し過敏症の既往歴のある方
■医師の判断で服用を避けたり注意が必要な方(慎重投与)
・軽度~中等度の肝機能障害がある方:通常よりも慎重な投与量調整や観察が必要
・高齢者の方
・睡眠時無呼吸症候群などの呼吸器疾患がある方
・妊娠中・授乳中の方
必ず医師に申告し、ロゼレムを服用しても問題ないか確認しましょう。
ロゼレムに関するよくある質問
体重への影響や依存性の有無など、患者さんから寄せられることが多い疑問について回答します。
ロゼレムに依存や離脱症状のリスクはありますか?
従来のベンゾジアゼピン系と呼ばれる睡眠薬に比べて、ロゼレムは依存性や乱用のリスクが低いとされています。
長期間服用しても、「薬がないと不安でたまらない」といった精神的な依存や、薬をやめた時に震えがくるといった身体的な依存は形成されにくいのが特徴です。
ただし、リスクが低いからといって自己判断で乱用して良いわけではありません。用法用量を守って使用することが重要です。
ロゼレムとデエビゴやベルソムラとの違いは何ですか?
主な違いは、眠りを促す仕組みにあります。
デエビゴやベルソムラは、脳の覚醒状態を抑制することで眠らせる薬です。一方、ロゼレムは、体内時計を調節するメラトニンの作用を促し、自然な眠りを誘うような催眠作用をもたらします。
一般的に、夜中に目が覚めてしまう中途覚醒にはデエビゴやベルソムラが選ばれることが多いです。一方で、ロゼレムはより作用時間が短く、寝つきの悪さを改善することに特化しています。



どちらが適しているかは、不眠のタイプや体質によって異なるため、医師と相談して決めるようにしましょう。
ロゼレムのジェネリック医薬品はありますか?
ロゼレムのジェネリック医薬品(後発医薬品)は、「ラメルテオン」という名称で各製薬会社から発売されています。
先発品のロゼレムと同じ有効成分を含んでいますが、開発費が抑えられているため、お薬代の負担が軽くなります。薬代の経済的な負担を減らし、治療を継続しやすいという点がメリットです。



そして、ジェネリックへの変更を希望する場合は、調剤薬局で薬剤師に伝えるか、診察時に医師へ相談して処方箋に記載してもらうようにしましょう。
ロゼレムの代わりになる市販薬はありますか?
ロゼレムと全く同じ成分(ラメルテオン)を含む市販薬は、日本では販売されていません。
海外では、成分が似ている「メラトニン」のサプリメントがありますが、日本では医薬品として承認されておらず、品質の保証がないため注意が必要です。
また、ドラッグストアなどで購入できる睡眠改善薬は、抗ヒスタミン成分を利用したもので、ロゼレムとは作用の仕組みが全く異なります。そのため、あくまで一時的な不眠への対処用であり、慢性的な不眠症の治療には適していません。
まとめ|ロゼレムがどんな薬か理解しよう
ロゼレムは、メラトニンの働きを利用して体内時計を整え、自然な眠気によって不眠を改善するお薬です。
従来の睡眠薬と比較して依存性が低く、ふらつきなどの副作用も少ないため、初めての方や高齢者でも使いやすい薬と言われています。しかし、飲み合わせが禁止されている薬があったり、効果が出るまでに時間がかかったりと、使用上の注意点はいくつか存在します。
自己判断で量を調整したり中断したりせず、医師の指示を守って継続することが治療において重要です。
疑問や不安があれば必ず医師や薬剤師に相談し、正しい用法で質の高い睡眠を取り戻していきましょう。
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